オープニング:HO2
UGNの呼び出しに応じて日本支部に顔を出した君だったが、今日はずいぶんと慌ただしい雰囲気だ。
霧谷雄吾がこっちにせかせかと歩いてきて、
「召集に応じて頂きありがとうございます。ですが色々立て込んでいて、いつものブリーフィングに割ける時間がありません。」
「任務だけ伝える形になりますので、事前情報はそちらで集めて頂きます。申し訳ありません。」
苦労と悲痛を隠しきれない顔で霧谷が言う。一際忙しいようだ。
「任務は太平洋の離島、抹香島(まっこうじま)近海の異常気象の調査になります。」
「レネゲイドウィルスの関連が疑われていますので、原因の究明と可能ならば事態の解決をお願いします。」
「最後に、事前情報の収拾が終わったらこの連絡先に連絡してください。」
そう言い終わった途端、別の職員たちが霧谷に殺到していく………
メモの連絡先には「船長・ビイハブ」と書かれていた。
ひとまず事前情報が必要だと思った君はUGNデータベースを調べていて一本の動画ファイルを発見する。
タイトルは「抹香島近海・原因不明沈没事故」
内容は晴天を進んでいたはずの船が唐突な嵐に襲われ、最後には異常なほど船が飛び上がって海面へ叩き付けられた映像が船に乗っていた一家のホームビデオの視点で記録されたものだった。
君は数回見直していると、その映像の途中、ある一点に目が止まる。
巻き戻しと一時停止で改めて確認してみると、一瞬だけ海面に巨大な山が映っている場面がある。
見間違いでもおかしくないくらい見辛いそのシルエットに、何故か君は脈拍が早くなるのを感じている………
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