気だるい系女子の日常。

エノモト

プロローグ

4月_____

××県立華藍高等学校。

3年前に設立されたばかりの学園だ。生徒数は1学年平均して240名程度。学校はまだ真新しく、隅々まで清掃が行き届いており、目に付く汚れは特にない。生徒もピシッとした制服を身に纏っている。

今日は新学期初日である。誰もがクラス替えを楽しみにしているためか、やけに騒がしい。


「あ、乃々華ー!!また私達同じクラスだよ!」

読者は乃々華、という名前を聞いてどんな人物を思い浮かべるだろうか。

「おーい、姫路さーん??」

どうやら姫路乃々華という名前らしい。なんとも派手な感じがするのは気のせいか。

「お、一緒だったんだ、これで安心してダラけられる。」

しかし、当の本人は全く派手ではなく、目立たない訳では無いがとにかく怠そうである。

「もう、ほんと怠そうなんだから!」

「だってダルいもん。」

全くの無表情で言葉のキャッチボールを続ける。

「というか、新学期早々髪ボサボサじゃない!ショートだからいいものの...。」

「えぇ...髪の事気にしてるくらいだったら私は寝てるかなぁー」

「春休みを挟んでもやっぱり変わらないのね。」

「あんな短い期間に変われる人間なんてなかなかいない...」

「それはアンタの変わる気が皆無なだけでしょ。ほら、早く行こう?」

「あいよー。」


二人で教室に向かう。果たしてどんな出会いのだろうか…。


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