夜景

部屋の明かりをすべて消して

窓辺のソファー

無言のまま 二人

眠らない街を見下ろしていた


一瞬一瞬が零れ落ちて

息づく地上の星に呑まれる

その刹那に


最後の囁きは吐息に散る


テールライトが長い尾を引き

流れていく

限りなく深いミッドナイトブルーの

眠らない街の彼方へ


部屋の明かりを点けたら

見えてしまう 涙に

気づかないふりをして


静寂の中で ずっと

零れ落ちる一瞬一瞬を 二人

見つめ続けていた


最後の夜に


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