眠り月に祈りの華を

壱闇 噤

第0話《寓話に酔いて》

とおい、昔の話──


曰く、『月には不思議な魔力がある』。


曰く、『月には闇を討ち払う力がある』。


曰く、『月には愛しき人が映る』。


曰く、『月には予期せぬ出来事を教える事がある』。


曰く、曰く、曰く、曰く、曰く──……。









全ては絵空事の一環だったのかもしれない。

けれど、もしも本当の事ならば…?

まだ誰もその意味に気付くものは、まだまだ昔も今も存在せぬ……──

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