詩集 心奏でる旋律

仲仁へび(旧:離久)

01



 ……路地裏で一人震える少女は、何を思い、何に涙を流すのか。


(少女にとって世界は無慈悲なもので、救いようがある様には、どうしても見えなかった)


 要らない命だと捨てられた

 できそこないだと


 その通りで

 反論などできない


 私は何もできなかった

 私が誰かにしてあげられる事など何もない


 脳裏に描いた想像は ただの幻

 人並みの生活を送りたい

 愛されて生きたい

 

 私だって人だ

 同じ人のはずなのに


 どうして?


 私は皆と同じ人ではいられないのだろう


 迫りくるのは死の気配

 終わりの息吹に吹かれて 私は身を震わせた

 無力な私は ただここで震える事しかできない


「ここで、ただ何もしないでいても死ぬだけだと分かっていた」


「それでも私に何かできるの?」


「私に何が出来ると言うのだろう。分からない」


 私は所詮 要らない命でしかない

 それ以上でも それ以下でもない


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