限りの月

命、短し……と

歌った遠い記憶

恋など縁の無い

短い青春は逝く


自分に正直にと

嘘を吐かぬ約束

交わした端から

偽る心は隠せず


微笑という毒を

顔に張り付けて

想いは何処へと

向かうのだろう


燃やす熱がある

情すら消し炭に

焼き尽くす限り

何も遺さぬ熱が


限りの月がくる

何も変わらない

時間のその先に

ピリオドを打つ


細い指先に灯す

命の残り火赤く

偽る日々を越え

私に還る刹那に



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