無に帰す
自らに突き立てた刃は
祈りの結晶
けれど、何を祈っていたのか
とうの昔に忘れてしまった
届かないものだけを求め
掴めないものだけを信じて
愚かさに気づかずに
格好良いとまで思い上がっていた
あの頃の祈りが結晶となった所で
たいしたものではなかったろう
だから暴けなかったのだ
醜い本心を
気休めにもならない
歌を口ずさめば
言葉はいつか降り積もり
覆い尽くしてくれるだろうか
驕れる愚者の亡骸も
作り出した偽りも
突き立てた祈りだけを
墓標に遺して
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