如雨露

遠雷が響く空は

雨を降らせる気配もなく

薄い雲が申し訳なさそうに広がる


連日の猛暑に

庭木も元気なく見える

雨を待つのは人ばかりではないと


如雨露を片手に庭を行き来する

ささやかに注がれる水では

雨のように大地を潤せはしなくても


待ち望む雨のかわりに

命の水を如雨露で運ぶ

夏はどうなることかと思いながら


雨を待ちながら






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る