傍に在りたい

あたたかな血を流す傷口に

あなたの心の傷口に

そっと指を当てて


喉の奥に渦巻く嗚咽の音に

胸に渦巻く激情の音に

耳を澄ませて


私の五感であなたを感じる

傷つき疲れ果てたあなたを感じて

抱き締める


何も出来ない私に

出来ることは何だろうと

考え続ける


私という存在が

あなたに必要とは限らない

寧ろ疎ましいかもしれないけれど


それでも私はあなたを抱き締め

感じることで傍に在りたいと

願う、ただひたすらに


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る