第2話警告
ブラインドの間から差し込まれた光で目を覚ました。
アカネは一晩だけ近隣に建てられたコテージを借り心と体を落ち着かせた。
「どうしよう...」
行く宛もないアカネはまた足を町へ向かわせた。建物や電光掲示板など周囲にある物を目に収めようと辺りをキョロキョロしていた。
すると後ろから1人の女性が尋ねた。
「おい、どうした?道に迷ってんのか?」
高身長で髪が長く、引き締まったスーツを着込むかっこよく美しい人だった。
アカネは事情を説明すると、聞いてもいない事をすすんで喋った。
「タイムマシン?そんなもん先祖の夢が生んだただの鉄の塊だろ?頭湧いてんのか?今はそんなもん無いし、時を移動する事だって禁止されてるよ 。」
色々気になるところがあったが今はどうしたらいいのか分からない。
そんなアカネを女性は放ってはおけなかった。
「行くとこ無いなら、私のうちにこないか? 」
それからアカネは女性に身を預ける事にした。
町中を歩き回り女性の家へ向かう。
どうしてこんなに親切なんだろうと思いつつも体はついて行ってしまった。
建物の裏路地へ向かっては出て、向かっては出ての繰り返しをすると突然 「まてっ! 」の一言。
目の前には監視カメラがあり、何事かと思い顔を覗き込むと女性は難しい顔をしていた。
「お前、ほんとに過去の世界から来たんだな。ある程度今の世の中の事教えてやるよ。」
そう言って女性は親切に現状を教えてくれた。
この都市のみならず今の日本には約100万台もの監視カメラが設置されていた。
それは政府の決めた事らしく、行動もある程度制限されていると言う。
だからカメラに映らぬよう裏路地を通っていたのか、とようやく納得した。
聞けば今の世の中では自分の生活や職、全てにおいて政府に決められた事しかしてはいけないらしく、人を匿う様な行動をとった者には処罰が降るらしい。
「だからとりあえず今は身を隠せよな。」
女性はそう助言すると後ろからの追っ手に気がついた。
サイレンが鳴っている。
「おいそこの女達、止まれ!!」
アカネは逃げる事に必死だった。
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