021:うまいこと言ったつもり?


「はあ……」


「どうしたんだい、珍しくため息なんてついて」


「一応、この世界って私と先生しかいない設定じゃあないですか」


「開始早々にメタがすごいね」


「きっと寿命的に先生が先に死ぬでしょうし、そしたら私のお墓を建ててくれる人はいないだろうな思って」


「ひどい生徒だ! 悩みの種が僕が死ぬ前提じゃんか」


「墓無い人生とは儚い人生です」


「うまいこと言ったつもり?」


「そう気を悪くしないでください。今の私の言動は、あくまで悪魔に取り憑かれただけですので。疲れているのです」


「うまいこと言ったつもりだなぁ、そのドヤ顔は」


「まぁ、嘘ですけどね。驚きました? 先生は私に嘘をつかれて虚を突かれたでしょう」


「ドヤるねぇ……」


「ヤりたい娘とヤッたもん勝ち、性春ならって言いますしね。一度きりの人生を楽しみましょう」


「その字面だと色々問題あるし、教師として応援できないよ」


「うるさいですね。ハゲは黙ってください」


「髪も仏も無いこと言うなよ……、ハゲてないし」

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