難航、初めての面接
「んーーーーーーー。」
今日は土曜日、とても気持ちのいい太陽の光がさしている。
学校もない日にわけもなく早起きしたわけではない、前にみたバイトの面接を応募しようと思っていたからだ。でも……
「やっぱり電話かけるの怖いよー!」
店の場所はマップで確認した、電話番号も確認した、親からの許可も貰っている。
だが、知らない人が出るとわかっている電話をかけるということは、そこら辺の青春謳歌高校生 S O K ならまだしも、今までこんなことを経験したことのないうえ同年代の女子とすら電話したことのない私にとってそれはとてもハードルの高いことだったのだ。
こうして、長い針が6になったらかけようだのそれは短い針の話だの自分の中で言い訳して結果ずっと電話をかけれずに唸ることになっているのである。
「むむむーー、あ、そうだ!私まだ履歴書買ってないや、先に買いに行こっと」
現実逃避5割、実際必要だった5割によって一時的にこの悩みはなくなり、家の近くの例のコンビニに買いに行くことになった。
「いらっしゃいませー」
店に入るとおなじみの音がなる、私はこの音が好きだ。変に騒ぐこともなく、それでいて静かすぎず、飾らないこの素朴な音は聞いていると気持ちがいい。
「これからバイトするのにあんまり長くいてもあれだよね。」
私は小さな楽しみを終え、足早に文房具コーナーへ向かった。
「履歴書、履歴書っと、あ!これだ。」
わざわざ下から取り、レジへ向かった。
「いらっしゃいませ、あれ?履歴書ってことはバイトかい?」
いーーやーー、話しかけられちゃったよ〜!どうしよー
「え、えと、はい!そうです。」
「そうかい、そうかい。初めてなのかな、頑張りなよ、大変だろうけどな。」
「っ、ありがとうございます!」
な、なんか応援されちゃった!嬉しかったなー。
というかあの人前に店長って呼ばれてたしあの人が店長ってこと?
胸にずっと残ってた不安が一気になくなっていった
「よし、頑張って電話かけてみよう!」
私は行きより軽くなった足で駆け出した
「ただいまー、気が変わらない間に早くかけよっと。」
プルルルル、プルルルル、ガチャッ
「はい、こちら太陽マート○○店です。」
「あ、あの、バイトの面接を受けたいのですが。」
「あれ、君もしかしてさっき履歴書買いに来てた子かい?」
「あ、はいそうです。」
「うちでやってくれるのか、嬉しいなー。面接だね、いつがいいんだい?」
「えーと、………」
「ふぅー、疲れたー。電話しただけだけど。」
店長いい人そうでよかったなー、怖い人だったらどうしようって不安だったしよかったー。
とにかくこれでやっと私の青春時計が動き出すというものである。
「よし、頑張ってやるぞー!」
数日後、面接の日
いつもの通り、入口の音に癒されつつ店に入るとレジの方が少し騒がしい
どうしたのかな、もしかして強盗!?
「あ、鈴村さん。こんにちは」
「こんにちは、どうかしたんですか?」
「いやー、強盗じゃないんだけどね。客がいなくて陳列にいってる間に肉まんとかチキンとかが全部荒されてて、こんな短時間でどうやったのかなって感じなんだけど。」
「えー!?そんなことが……」
「そういうわけなんだ、鈴村さん、本当に悪いんだけど今日は面接できそうにないんだ。」
「わかりました、仕方ないですし大丈夫ですよ。」
「ごめんね。」
いったい誰がこんなことしたんだろ、食べ物を粗末にするなんて……
それに初めての面接でこんなことになるなんて、
「これからが不安だよーー!!」
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