5-3



「妙ですね」


 オペレーター席に腰掛けていた春日井さくらはそう呟き、後ろの方にいる三好秀吉に判断を仰ぐべく、そちらに身体を向けた。


「何がです?」


 秀吉は余裕の笑みをさくらに向け、キザっぽい仕草をしながら反応した。


「魔法少女一人で長門を撃墜しにくるそうですよ。なんとも勇ましい少女ですね」


「ほう。また獲物が来たのですか」


「……どうします? 量産型を向かわせますか?」


「いや、私が出ましょうか。また返り討ちにしてあげますよ」


「なら、いいんですけど」


「当然、修理は終わっていますよね?」


「整備主任から報告を受けているので、終わっているはずですよ」


「よろしい」


 もう勝利を信じているかのような、そんな自信満々の顔をして、秀吉はブリッジから出て行った。


「たかだか一勝しただけで有頂天ですか。救いようのない人ですね」


 秀吉が出て行った方を見やりながら、ぼそっと呟き、オペレーターの仕事を再開した。


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