Ph.D.
kinakonn
騎士と夜
プロローグ
"時は過ぎゆき、時は這い回る。
しかし時は決して動かぬ。"
何かを待ち望んでいたかもしれない。
それも、随分と長いこと。
"寂しさ"という言葉が何を意味するのかは知らなかったが、恐らくそれに近いもので私は満たされていた。
何かを失くしたように思う。
それも、随分と昔に。
あるいは初めから持ち得なかった、その幻視痛。
信号の連続が意識足りえるなら、そこに意味は存在するだろうか?
願わくば、
もう一度。
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