クボ 二本の弦の秘密
これ、何も知らずに観たら最後にびっくりするかもしれない。
3Dアニメだと思っていたら、エンドロールでわかるからだ。そうこれは人形アニメ! ちまちま動かしてひたすら撮影したストップモーションアニメなのです!
ハリウッドが作る日本って、基本、雑じゃありません?笑
ウルヴァリンサムライとか笑っちゃいましたもの。なんでヤクザがウルヴァリンと互角に戦えるくらい強いんですよ?! 現代日本で忍者が出るのはまあ憧れてるだろうから良しとして、畳の部屋に土足で上がり込むのは許さんぞ!!!
しかしこのアニメはちがうのです!
まあ、ちょいちょい「中国!」ってのが入り込むのは仕方ないとして、びっくりするほどストレスフリー! というか入り込む中国要素ってよく考えたら必要なのだ。敵の「異質な強大国」を大陸のイメージとして「中国要素」を持ってきていると考えれば、むしろめちゃめちゃきちんと日本を勉強されている! すてき!!!
さて、主人公は三味線を持つ少年クボです。
彼は心を病んだ母と人里離れた岩山に暮らしています。
クボくん、毎日山を降りて川を渡り、村で三味線を弾いてお金を稼ぐんですが、なんだか被差別部落の河原者を彷彿とさせます。やっぱ意識してるよね。よそ者感。
彼が三味線を弾くと折り紙が舞い踊ります。おいおいクボって魔術使いじゃねえか、とここでわかります。日が暮れるまでに家に帰ると、母親が待っている。この母親も謎。粗末な暮らしをしているのにお姫様みたいな格好をしているのです。なぜ。
そして時間が来ると魂が抜けたようになる。どうやら彼女も魔術使い。クボの力は母親ゆずりっぽい。不穏な予感。クボ、日が暮れたら外に出てはいけない。あなたのお祖父様と叔母たちが来てしまうから。あなたの父親を殺した人たちが。
そして、クボは日が暮れたのに外に出てしまいます。お約束の展開。
で、ここからが冒険の始まり。迫り来る叔母さんたち! 焼かれる村! 死んだ母! 母の魔力で命を宿したマスコット! ゆくべき道を指し示す父の折り紙!
ええ〜〜そういう感じなのすごい〜わかりやすくて面白い〜!
死生観の描き方すっき〜〜!
お母さん!
なるほどお姫様!
てゆーか完全にかぐや姫やんけ!!
なにより映像が!
すばらしい!!!
ほんとに人形?!!!!
はい、五億点!!!!!
面白くて字幕版と吹き替え版で二回観ちゃいました。なんで映画館に行かなかったんだと自分を責めた。でもいいや。面白かったから。
子どもが素直に楽しめるわかりやすいお伽話。よろしいんじゃないかしら。そして物語には必ず終りが来る。そんな創作論としても楽しめる。終わらなければ、物語は語れない。終わりがあるから、物語は語れる。
おしまい。
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