リリーのすべて
伝記映画だということを鑑賞中に気づく。よくあること。
だれの伝記か?
「はじめて性転換手術をした元男性の話」とでも言えばわかりやすいか。
この映画のいっちゃんすごいとこって、完全にエディ・レッドメインの演技力だと思うの。正直、苦しくなる。なんとなくで流していてキレイ事で隠して、自分でも気づいていなかった「偏見」に向き合わざるを得なかった。
私、偏見を持っていました。ここに告白します。
トランスジェンダーの人って、「女になりたい男の人」「男になりたい女の人」だと思っていた。全然ちがった。エディが教えてくれた。彼らは「なりたい人」じゃなかった。「男のからだに生まれついた女の人」で、「女のからだに生まれついた男の人」なのだ。「なりたい」とかじゃない。「そう」なのだ。
男のくせにと、気持ちが悪いと、エディが暴力にさらされるとき、本当に苦しかった。あそこで男たちに囲まれて殴られ蹴られているのは女性だ。なのに、どうしてみんなわかってくれないんだろう。こんなに恐ろしい日常が当たり前に続いていくなんて。
映画的に受け入れられない部分もある。妻が報われなさすぎだとか、エンディングのシーンはアーティすぎると感じる。
だけどエディ・レッドメインの演技は本物です。
でもアカデミーがノミネート止まりなのは仕方ないかも。
だって男優賞じゃなくて、女優賞をもらうべきだもの。
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