パンズラビリンス
こんな映画紹介コーナーを設けているというのに、まだパンズラビリンスを取りあげていなかったことに気づいて愕然としました。
これ、私の生涯ベスト3に入る、名作です。
舞台は第二次世界大戦下のスペイン。
母親の再婚相手は、ヒットラーのようなおそろしい男。
少女オフェリアは牧神パンに出会い、告げられます。
あなたは記憶を失ったお姫様だ。
三つの試練を乗り越えれば王と女王の住む魔法の国に帰れる、と。
なんだかきらきらしたファンタジーがはじまりそうな予感じゃありませんか。パッケージもファンタスティックですしね。
でもだまされちゃあいけねえよ。
マジのガチのダークファンタジーだから、これ。
とにかく、現実の世界がつらすぎてやばい。
これはオフェリアも逃げ出したくなる。
んで、ファンタジー部分も地味に怖い。いや、ガチで怖い。
あの人食い鬼が目玉をはめたときは「そっちかー!」って笑ったけど、でも怖すぎる。はやく逃げて。
ファンタジーの小道具がいちいちすてき。
あの通り抜けフープみたいなチョーク欲しい。
なにより、観客の感情を見事に誘導していく手法はお見事。
パンが疑わしく見えちゃうとことか、逃げ場がなくなった感があって最高に怖い。
ダークすぎて、ラストは意見が分かれる映画。
そんな映画は大好きだけど、私はこういうやつ、いつだって「魔法はあったんだ。あれはハッピーエンドだったんだ」って信じきっちゃうんだよね。
一緒に観に行った友達は、みんな「バットエンド」とゆずらなかったけど。
インタビューなど拝見しましたが、役者さんはわりと「あれはオフェリアの妄想」ととらえておりました。でも、監督さんははっきりと、「パンは本当にいたんだ。このシーンでそれが証明されてる」と言い切っていましたね。
よくぞ言ってくれました。
そう、あれは本当にあったこと。
オフェリアは、本当のお父さんとお母さんに会えたんだよ。
だから、笑ってるんだ。
最高の映画じゃないか。
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