第9地区

 SF好きな人、集合。

 グロいのダメな人、ばいばい。


 一度観るとたいてい満足してしまう私がDVDを買っちまった作品でございます。


 巨大UFOが地上にあらわれるのだが、いつもとちがってアメリカではありません。そうこれは南アフリカが舞台なのです。そのへんの歴史に詳しい人ならぴんと来るでしょう。


 白人が大手を振ってえらそうにしていた国の、まさに黒人差別をエイリアン差別に置き換えて描いた問題作。だけどエンタメとしてもすこぶる完成度が高いです!




 ドキュメンタリーチックな手法ではじまる映画は、「これ実話……?」となるほど、いやにリアリティがあります。雑魚キャラ感の強い主人公は「エイリアンはちゃんと区別しないとね!」と言って差別していきます。エイリアンを相手にしているせいか、差別に見えないのがおそろしい。


「そっか、こいつらはこう扱わないといけない連中なんだ」


 観客に無意識にそう思わせてくる。その直後、主人公がエイリアン化していく。



 CGもすごいし、アクションもすごいし、なによりエイリアンたちがかわいそうで見ていられない!! 主人公はほんとにクズなんだけど、自分がエイリアンになっちゃって、それでもやっぱり自身の中の差別意識は残っていて、うあーもうなんとも言えねーというラストにつながっていきます。


 あのニュース映像はなんなの。

 本物みたいじゃないの。


 観たあとで、「すげー映画を観た!!」ってなることうけあいです。

 同じ監督の映画『チャッピー』はそこまでじゃなかったけどね。



 第9地区に、やつはいる!!

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