おいしいコーヒーの真実

 映画好きと胸をたたいて豪語する人の中でも、ドキュメンタリーに手を出さない人ってたまにいますよね。私もかつてはそうでした。





 この映画に出会うまではね!!





 7歳年上の友人に勧められて観たこの映画。「コーヒー、一杯330円。ではそのうち生産者に支払われている対価は……?」という副題でもつけておきましょうか。あの頃の友人の年齢を超えてしまった……時の流れ。




 時おり流れる欧米でのコーヒー好きの映像。

 そして、そのコーヒー豆を作るアフリカの「最貧民」と呼べる人たち。


 働いていないからお金がないのではない。怠けているからお金がないのでもない。彼らはコーヒーを飲んだことすらなく、それが一杯いくらで取引されるのかも知りません。「金にならないから」とマリファナ栽培に手を出してしまう人も。


「マリファナなんて育てたくないよ。でもコーヒー豆ってお金にならないもん」


 本当はその量のコーヒー豆で充分なお金をもらってしかるべきなのに、そうはならない。これが現実。





 ガッデム!!!





 なんだろう、陰謀論とか格差社会とか言う前に、こういう現実にもっと目を向けるべきなんじゃないの? これってどう考えてもおかしくない? ひどいよ!!!







 もちろん、ドキュメンタリーはいくらでも編集が可能なコンテンツです。

 ニュースや新聞も同じですけどね。


 事実にどれくらい即しているかなんてわからないし、そもそも人の数だけ真実があるのだから、現実をありのままに描き出す映画なんて存在しないのかもしれません。




 でもね、映画を観るときの基本として、ひとつ大事なことがあるんですよ。






 「この世界がホンモノだ」と信じきること!!!






 SFを観ているならアンドロイドの苦悩を信じろ!

 ホラーを観るなら霊の存在を信じきって恐怖におののけ!!

 ファンタジーを観ているなら魔法がこの世にある前提でその瞬間を生きろ!!!




 観終わったあとは、好きに疑うなり「こりゃ大変だ」と信じきってフェアトレードのコーヒー豆を買うのも自由。自由なんですよ、旦那!!



 そう映画とは自由なものなのですから。

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