第10話

いよいよ俺の待ちに待った初クエスト!


「で、最初のクエストってなにをやるんですか?」

「君たちの初クエストは、今コトウの街で暴れている「サタン」というモンスターを討伐することだ」


あれれーぼくそのモンスター知ってるー

念のためバイブルに小声で聞く


「なあバイブル、「サタン」ってあの地球にあるやつだよな?」

「はい、あのよくゲームとかアニメとかで出てくるあの魔王ですよ」

「ヘえー」


え、なんでこんなところで暴れてんの?


「よし、じゃあコトウの街まで行くぞ。ほら、近くに来い」


お、ワープっぽいな


「よし、行くぞ!おりゃ!」

「ええー!」


その瞬間俺は団長によって飛ばされた。


ちなみに、飛ばされて空を通過している時にコトウの街が見えたのだが、そこにある店で売っている古剣の一つに「エクスカリバー」ってあった。日本円にして65円くらいだった。



到着と同時に骨折!5分で治るものの痛いものは痛い!あとで絶対文句言ってやる。


「で、サタンはどこにいるんだ?」

「あ、今村人によって討伐されたそうです」

「はえ?」

「なんかエクスなんとかとかいう古剣で峰打ちしたら倒れたそうで、」

「サタン弱!」


なにあいつ65円の古剣に負けてんだよ。しかも村人に、峰打ち!同じ地球にいたものとして恥ずかしいわ。


「まぁ、一回サタン見に行きましょうか?」

「おう」


元気のない返事であった


ファスト達が着くとそこにはロープでグルグル巻きにされたまあなんと「おお!サタン」って感じのする生物が横たわっていた。漫画なら「ちーん」ってついていたであろう。


と、そのとき、ファストとサタンの目があった。


「お主、地球生まれか?」

「あ、ああ。いかにも」


はじめての敵との会話、威厳を保たねば。


「へえー」


え、


「ほら、喋るな!」

「うわあ、痛いよ!もっと優しくして!」


俺の敵との会話は3秒で終了した。


「あれ、あなた達が希望団の方々ですか?」

「はい、いかにも」

なんでサイクロが代表してるんだ


「ご到着の予定日からかなり遅れてますが何かあったんですか?」

「え、嘘!僕たちってどのくらい遅れたんですか?」

「4日ほど…」

「「「ンルプさぁん!」」」



本拠地に返ってクエストの結果の報告。もちろん嘘はつかなかった。


「はっはっは、それは気の毒だったな。まぁ次の機会頑張れってことよ」

団長はずっと高笑いしていた。

いや、こいつのせいだよな。俺、怒っていいよな

しかしそこはぐっとこらえる。


「よし、じゃあ次のクエストだ」


「次はワープでお願いします」

3人が口を揃えて言った

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る