第3話

―あの女神の部屋


 「おつかれ!さすが主人公、初戦から余裕だね~。うん、君はすごいよ!」

 「ま、正直言ってあんなん余裕だったよ。俺の足元にも及ばなかったね」


 二回死んだことは二人ともあうんの呼吸でなかったことにしている。


 「お~。じゃあ、いきなりだけど君にはこれから旅に出でもらうよ」


 きたきたきたきたきた~~!やっと来たこのイベント!何年願い続けていたことか。

 あぁ、やっぱりこの世界は素晴らしく、美しくて、こんなゴミみたいな俺にも うぅ 希望をうぅ 与えて やばい、何か涙出てきた。泣かないって決めてたのに。


 「何かすいません、涙出てきちゃって」

 「まぁあなたのこれまでのあんな生き方を見ればよくわかるわ」


 おい、あんな生き方ってなんだ、あんなって。一瞬で涙引いたぞ。


 「それで俺、どこに行くんですか?」

 「おっと早まらないで、まず、この世界の原理について説明しなきゃだから」


 なるほど、こいつはよくゲームであるこの世界について説明してくれる案内役か。


 「こいつ?女神って呼びなさい女神って」


 こいつ俺の脳内の人称まで文句言ってくるのか。ダッル


 「まず、この世界とあなたが今まで住んでいた宇宙は全く違う物質でできているの」

 「俺たちの宇宙とは構成している物質が違うってこと!?」

 「そういうこと、あななた達が住んでる宇宙および時空を人時空というのに対して、私たち人から少し進化したものや神、仏、その他もろもろの時空は神時空といわれるわ。そして、神時空はあなた達のように原子などでできているのではなく、支神支というものでできているの。そしてそれらを組み合わせることで世界はつくられているの」

長いけどみんな頑張って読もう!

 「なるほどなるほど。そこまで変わってくると、そっちの世界はこっちの世界と大きく変わってくるのか?」

 「いいえ、全く変わらないわ。でもこっちのほうが技術はか~な~り、進歩してるからそういった意味では変わってくるかもね。そして、私たち神の体には人とは違った大きな違いがあるわ」

 「心臓が二つあるとか?」

 「いいえ、あなた達にある臓器は全てないわ!あるのは体の支神支を操作する核と、体中に支神支を運ぶ血管みたいなものと、あとは骨みたいなものぐらいよ」

 「ええ!じゃあご飯はどうするんだよ!うんこは!おしっこは!」

 「心配ご無用!私たちの体は支神支で動くからご飯なんか食べなくても生きていけるわ!その支神支はもらいたかったらもらえるし、自分の体で作ることも可能!あ、一応ご飯はあるわよ」

 「へ~。何か不思議な世界だな」  

 「そうね、そしてこれで説明は終わりだけど、いまから一番大切なことを伝えるわ!」


 おお、おそらくここで俺の旅の目的や敵の存在、仲間などについて教えてくれるのだろう。ぞくぞくしてきたな。


 「まず、今のあなたのレベルは73!攻撃力は165!防御力は145!すばやさは191!支神支をどれだけ使えるかを表す神力は212!最初にしては素晴らしいわ!」


 おお、なかなかいいスタートじゃねえか!やるな俺。ふん、やはり俺は体に秘めたる力が昔からあったのか。まぁいまさらおどろくことでもねぇ。モブ卒業だぜ!


 「そしていまから、なんとこれがすべて!

 

 

0になるわ!」

「・・・はぁ!どういうことだお前!」

 「残念ながら今のあなたの体リセットされた状態だから、神力と体、そして知能のバランスがとれていないの。さっき敵と戦ったとき相手が走ってくるときすんごい遅く感じたでしょ。あれはね、物語だから考えてる時間と敵が来る時間を合わせてるんじゃなくて、本当はあなたが考えるスピードが速くなっただけなの。あの時にすでにあなたの体は耐えきれなくて爆発寸前だったわ」


 まじか笑笑モブじゃん結局


 「ということで、あなたにはこれから旅にでて、まあ、簡単に言うと、強くなってもらうわ!はい、神(しん)導書(どうしょ)と剣。どっちもあなたとともに成長するわ。じゃあ、いってらっしゃい!」

 「ちょっと待ってまだ落とさないで!  ってあれ?今回は落とさないのか?」

 「ええ、後ろに扉があるからそこから行ってちょうだい。もうあなたを落とすなんてかわいそうだから絶対にしないわ。で、何か質問がある?」

 「ああ、仲間ってどうなるんだ?」

 「きっと見つかるわよ。あなた人と話すのが苦手なわけではなでしょ?」

「きっと見つかるって、、まあそんなもんか。ここで俺が飲み込まなかったたらストーリーが進まないもんな!」

 「そうよ!とっとと行って強くなって帰ってきなさい!。ある程度強くなったと思ったらこちらから呼ぶわ」

 「よし、じゃあ行ってくるか!」

 「ふぁいと!」


 後ろにある扉は開いている。よし、これから吉野君の主人公ライフの始まりだ!

 俺は扉へと走り、白い光の中に飛び込んだ!

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