生真面目彼女と不真面目彼氏
「・・・報告は以上になります」
私は毎年のように出席している委員会に少し退屈しながら、今回も無事終了した。
(終わったし帰ろ)
「遅いっつうの」
だらしなく着崩した制服、嫌でも目立つその金髪。
私は歩みを止めると、スプリンターばりの走りで彼に飛びついた。
「待っててくれたの!」
「ちょっ、抱きつくな!誰かに見つかったらどうするんだよ!」
「えー?別に私は気にしてないよ」
校内でも有名な不良の彼は私は付き合って長くなる。
「さっさと帰るぞ!」
「もうっ、照れちゃって」
きっと彼は私が心配で待っていたのだろうが、それは黙っておくことにした。
「それでね!あの時さあ・・・」
「お前、本当に俺の前だとキャラ変わるよな・・・」
「そりゃ大好きな人の前だから。それにこっちの私の方が君は好きでしょ?」
「俺は別に・・・」
照れる彼をニヤニヤと見つめていると、彼もこっちを見つめてきた。
「何?可愛い彼女に見とれちゃった?」
「・・・ああ」
「ちょっと・・・いきなり言わないでよ・・・冗談でも恥ずかしいよ」
「いいや、本気だ・・・」
彼は私の方を向き真剣に言った。
「だからこそお前は俺なんかと付き合うべきじゃないと思うんだ」
私は少しムッとしながら話を聞いた。
「お前は俺みたいな不良とは無関係に生きていくべきだ。俺はお前に隠されるような彼氏にはなりたくないんだ」
「別に私は隠してるつもりは無いよ」
「でもバレた時に・・・」
「私はあなたの事自慢できるくらいいい彼氏だよ」
私は立ち止まり、話しを続けた。
「だってあなたは私が持ってないものをたくさん持っているじゃない」
昔から家が厳しかった私は、いつも自由が少なかった。
そんな時に彼に出会い、決して人に迷惑はかけない彼に恋をした。
「だから、いつまでも私の大好きな彼氏でいてね」
「うっせバーカ」
そう言った彼だったが、不思議と吹っ切れた顔をしていた。
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