自称最強の能力者〜異世界の奴らを斬り殺せ
@mokumokushituji
序章
第1話 プロローグ
ある日奴らはやってきた。
空から海からビルの間から…
黒い筒…爆発する木ノ実。
我々と異なる言語、異なる力を持った人間
この世界の侵略者……
人は、彼らを"プレイヤー"と呼んだ。
◇◇
同時期ーー
20XX年、EDJ GAMES社からシリーズ第6作『ザ・コネクト〜異能との戦い』が発売された。
第1作が発売されてから40年、銃器や現代兵器で様々な世界の住人と戦える『ザ・コネクト』は、大変な人気を博した。
第1作の魔法との戦いから始まり前作では近未来世界への挑戦と作品を重ねるごとにゲームの難易度は高いものとなっている。
シリーズに共通するのは、プレイヤーにせよ。NPCにせよ。
拠点を全て潰した方が勝ちということである。
プレイヤーが勝利した場合、NPCはプレイヤーの管理下に置かれFPSゲームから育成ゲームへと移行する。
逆にNPCが勝利した場合、その瞬間プレイヤー達は爆死し、ゲームデータ抹消ののちサービスも終了する。
ほとんどの作品でプレイヤーは勝利を収め植民地支配に勤しんでいるが、第三作の『ザ・コネクト〜魔王討伐戦争』では弾丸は弾き飛ばし戦闘機並みのスピードで飛行する魔族を手も足も出せず、あっという間に敗北した。
今作はどうなのか、
難易度は?
過去最高難易度につき新武装解除
掲示板の予想では魔族よりは防御力が低そうだが、個々で違う能力を使うのが厄介
極めて長期的な戦いになると思われる。
世界観は?
異能力者が異能を持たない者を支配しようとしている世界
攻略方は?
無回答
掲示板の予想では感知されない遠距離攻撃が有効
有効武器は?
上記の予想から考えるにして、ミサイルやスナイパーライフルなどが有効と思われる。
ただし、金属や機械系統を乗っ取る能力を持つものがいた場合、数と範囲攻撃が有効と思われる
などと言った、様々な推測がネット上で飛び交い、サービス開始1ヶ月以上前からプレイヤーの会議が開かれた。
EDJ GAMESは日本のゲーム会社だ。
処女作であった『ザ・コネクト』がバカ売れしそれ以降、シリーズしか作っていないふざけた会社だ。
一部ユーザーからは名前をザ・コネクトとかコネクトゲームスとかにしてしまえなんて言われているが、半分は冗談だ。
今まで日本にあまりなかった本格派FPSゲームとして海外でも有名で、特に敵AIの物凄い人間味溢れる動きに魅了されやり始めたものも多い。
日本プレイヤーと海外プレイヤーで事前に運営から配布されたマップを見ながら会議に会議を重ね戦略を練って行く。
その姿は軍人さながらで、新参プレイヤーといえど作戦を無視することは許さない雰囲気だ。
雰囲気というよりは、日本人が良く言う"空気"が出来ていると言えよう。
以前、U国のゲーム実況者がサイトに投稿した、『戦略を無視して特攻してみた』と動画が問題となり、大バッシングを受けることになった。
一人が勝手な行動をしたばかりに奇襲がバレ、最終的に敗北したシリーズ三作目 魔王討伐戦争は『カイルの悲劇』と言われている。
カイルというのは動画を投稿したバカの実名で悲劇後、実況者を引退することになった。
アプリ自体は無理だが、課金ゲーで一シリーズごとに平均10万から20万かかる馬鹿馬鹿しいゲームである。
ただそれくらい払う価値があり、プレイヤーの半数がザ・コネクトをやるために働いていると言っているような人たちだ。
今時珍しくPCゲームであるが、ダウンロードにほとんど時間がかからずデータも軽いにもかかわらず、拡大しても綺麗な透明感のある最高のグラフィック
ゲームの中なのにまるで生きている本物の人間のような動きや言動、表情をするAI達
キャラクターメイキングから基地のデザインまで事細かな設定とやりこみ要素で毎回プレイヤー達をワクワクさせてくれる。
あと少しで始まる…。
計15万人にも及ぶプレイヤー達がパソコンの前に張り付いてその時を待つ。
サーバーが落ちないか、重くてイン出来ないかも
そんな心配は誰もしていない。
皆にあるのは歓喜と興奮……そして焦り
まだかまだかと待ち、チラチラと時計を確認する。
カタカタと貧乏ゆすりをしながらひたすら待ち続ける
とあるネットカフェでは、隣もその隣も、向かいもみんな画面に張り付いて時を待っている。
さあ、
早く
0:00
待ち焦がれた時がついにきた。
15万ものプレイヤー達が一斉にEnterキーを押す
空間が割れ
ーー海から
ーー空から
ーー地平線から
さあ、戦争の始まりだ……!!
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