個人的なまとめ

農具・農機具一覧

農具


〇鎌(カマ)

鎌は、草をかるために使う道具である。

大小様々なものがあり、刃の角度やノコギリのように刃が波打つ形状もある。

ここでは、大まかに4つ紹介する。


・小鎌

刃が波うっておらず研ぎやすい、一般的な鎌をこう呼ぶことにする。

形はカマキリの手の様な形状である。

この手の鎌は、値段の安いものから、そこそこ値のするもの、利用者の利き手や、鎌の角度など、最適なものを選ぶのに豊富な種類が存在する。

主な使い方は、草をかることであり、雑草や稲の収穫の際などに利用される。

また、ツル性の植物が絡まった木々などに隙間から刃を入れツルのみを刈ったり、苗の周りに生えた雑草のみを除去するために使うなど、細かい作業に向いている。


・ノコギリ鎌

この鎌は、通常の小鎌より種類が少なく、値段も安いものが多い。

しかし、刃が波打っているため、力が弱くても使いやすく、女性や子供はこちらのほうが行いやすいと言われている。

また、硬いツル性の葛などにはノコギリのように刈りやすいこの鎌のほうが便利である。

ただし、刃が欠けやすく、一度欠けてしまうと、再度研いで利用するといった事ができないため、使い捨てになりやすい。


・大鎌

背丈ほどの長い棒についた大型の鎌を指す。

この手の鎌は、荒れた草原を刈るために利用される。

全体的に大きいため、人との距離を取らないと非常に危険である。

長所としては、セイタカワダチソウのような固くて背の高い草を刈るのに向いている。

短所はススキのようなしなやかな植物は刃を当ててもするりと交わしてしまうため、この手の植物を刈る際はコツがいる。


・ねじり鎌

刃が鍬(クワ)のように、なっている鎌を指す。

この鎌は、木の樹皮をはぐ際に利用する鎌であり、本来農作業用の鎌ではない。

しかし、刃がまっすぐで鍬のようにしっかりしているため、

手元を耕したり、根の張りが強い雑草などに使うと効果的である。


〇鉈(ナタ)

鎌とは違い、刃が厚く包丁のような形のものである。

鉈は、腕ほどの熱い木を切ったり、竹を切り節の間の枝をそぎ落とすなど、鎌では刃の力が弱いときに、利用するものである。


〇斧(オノ)

かなり大きい鉈のような刃物。

鉈で切れないほど大きい木などを切り倒す際に利用する。

薪を割る際も利用する。


〇鋸(ノコギリ)

波状に金属の刃が出っ張っている細い鉄板。

木を切る際に利用する。

鋸を利用することで、木を長さをそろえたり、力のない女性や子どもでも木を細かく切り分けることができる。


〇鍬(クワ)

鍬は大きく分けて、土を耕すものと、掘り起こすものがあり、土の硬さや目的に合わせて使い分ける。

鉄の刃には長さや、太さ、面積の広さ、などでいろいろなものが存在し、これらは使う畝の幅や使う人の土地や力量によって変わってくる。

棒と刃のつなぐ角度も様々で、良いものを選べば腰などを傷めなくてすむので、よく吟味したほうが良い。

ここでは2種類を紹介する。


・平鍬

一般的な鍬で、平ったい鉄に背丈ほどの棒がついている。

利用方法は土を耕したり、土と肥料を混ぜるなどである。

また、草が足首ほどの高さであれば、鍬を使って地面を削るように除草するという使い方もできる。

注意する点としては、石が多い畑や地盤が硬いところで利用すると、刃がかける恐れがある。

そういった場所では、三叉鍬を利用して耕し、石などを取り除くか、つるはしで地盤を砕いてから作業を行うほうが良い。


・三叉鍬

鍬の刃が、細く三叉に別れている鍬のことを指す。

四又の種類もある。

この鍬は、平鍬と比べ、刃の部分が小さいため石の多い土地に適している。

他に粘土質である田んぼのような場所では、平鍬よりこの三叉鍬の方が掘り起こしやすい。

なぜなら平鍬では刃の面についた土を持ち上げるため、力がかかり、時間がかかるためである。

また、三叉鍬はレーキのように使うこともできるため、狭い場所の刈った草などをまとめる際に使用できる。


〇ホー

ホーは、ねじり鎌のように刃が鍬のようになっており、枝が背丈ほど長いものを指す。

主な使い方は草刈りであり、やわらかく大鎌では刈りにくい草は、この農具を試すとよい。

ここでは2種類紹介する。


・三角ホー

刃が2枚ある、三角形の形がついたホーである。

刈り方は他の草と絡めるように刈っていく方法で、膝丈ほどの草が伸びていないと、作業がしづらい。

一部、刃先の部分が細くなっているため、コンクリートの隙間に生えた雑草などもこのホーを使うことで作業がしやすくなる。

ほか、刃先の細い部分を少し地面にめり込ませながら、草を刈ることで根まで刈ることもできる。


・半円形ホー

半円形でできたホーである。

このホーは、主に苗と苗の間の草を刈ることに使われ、植えている苗に傷がつかないように、半円形になっている。

また、半円形の部分に小さい半円形の穴が空いたものもあり、このタイプのものはその穴から土が出て行きやすいように作られているため、田んぼでの草刈りに使いやすくなっている。


〇レーキ

熊手のような形をしたものと、トンボに熊手のようなクシじょうの歯をつけたものがある。

主な使い方は、落ち葉などをかき集めることと、土壌のならしである。

また、何かを落とした際にレーキを使い草などを集めるようにひっかくと、大きさにもよるが見つかることがある。


〇トンボ

地面をならすために使う道具である。

最近は、レーキの歯をひっくり返すと、トンボとして使えるものも多く、トンボだけとして使うのは、野球場や相撲場などの整備くらいである。



〇つるはし

地面の固盤を砕く際に利用する。

重さは、1.5kg~3kgと重く、夏の暑い時期などに使用すると体力の消耗が激しいので、比較的涼しい時間帯か、秋冬などの寒い時期に利用するのが良い。

また、硬い石なども砕くことができるので、石を使って何か作る際などのために手元に置いておくことをおすすめする。


〇スコップ・シャベル

鋤(すき)とほぼ同じもので、地面や雪、火山灰などを掘り起こしたり、土などを混ぜ合わせる際に利用する。

先のとがったタイプと、四角いタイプの2種類が存在する。

先のとがったタイプは、地面を掘ることに向いており、木などの苗を植える際に地面を掘ったり、少々固い土をほぐす際に利用される。

しかし、固盤くらい硬い土になると掘り起こせなくなるため、つるはしで砕き、シャベルで掘り起こすという方法が良い。

四角いタイプは、地面がコンクリートの場合などに利用するのに向いており、雪かきなどで利用されている。

ほかにも、溝(みぞ)掃除などは四角いシャベルの方が、泥を多く救えるため、作業効率が良い。


〇鋤(カラスキ)

牛や馬に、木でできた大型の鋤を取り付けることで利用する農具。

地面に鋤を差し込み、人がその上から体重の乗り、牛や馬を歩かせることで地面が耕される仕組みである。

当然のことであるが、力がないとこの機具は使えないため、牛や馬は丈夫で力強く育てなければいけない。


〇フォーク

スコップの形状をしているが、細長い歯が4,5本ついたものを指す。

牧場などで利用され、主に細長い乾し草などを束ですくうのに向いている。

歯の部分が細長いため、取り扱いには注意しないといけない。


〇メジャー

長さを測るものである。

ひも状のものが多く、支柱で囲んだウネの辺全体の長さを調べたり、タネや苗を植える間隔を調べる際に利用する。

なお、昔の人は、親指の長さ、親指と中指をL次に広げた間の長さ、人差し指から小指を第2関節がそろうように指を曲げたときの長さなどで、長さを測っており、現在でも利用できる方法である。

短い長さで利用される場合は、手の長さだけでできるよう、メジャーで自分の指の長さなどを調べておくと良い。


〇支柱

長い棒のことを指す。

竹などが利用されていたが、現在は固い鉄が入ったものが主流である。

使い方は、植物が倒れないように、支えるときに利用したり、ツルもの野菜を這わせるために、簡易的なやぐら作りなどに利用される。

植物は以外に重く夏の時期などは、大量の草が支柱にもたれかかり、折れることもあるため使用する支柱はできるだけ丈夫なものを利用した方が良い。


〇剪定バサミ

刃先が細長いはさみ。

野菜の収穫の際に主に利用される。

植物を切るもののため、刃の部分に病原菌などが付着していると、収穫した苗に菌が広がる場合があるため、使用する際はアルコールを拭きかけて使用する人もいる。


〇背負籠(かご)

竹で編まれたかご。

現在はあまり利用されていない。

いろいろなものがあり、竹を密に編んで作られたものや、大まかに編んで作られたものなどがある。


〇竹笊(ざる)

竹で編まれた、平べったいお皿のようなもの。

野菜などを、保存したり、網がついたものは種を天日干しする際などに利用する。

ほか、新聞紙をひいて、水切りをしたり、野菜置きとして、台所に置いておく使い方もある。


〇竹箕(み)

竹で編まれた、ちりとりみたいな形状のもの。

主に、落ち葉などを拾い集めて運ぶ際に利用する。

また、箕を上下に動かしながらお米を空中に放り、その際に風で不要なものを飛ばすということもできるが、かなりのコツがいる。


〇バケツ

水をくむ際など利用される。

現在では、バケツに土を入れそこに種籾を蒔いて栽培する、バケツ稲という栽培などにも利用されている。


〇麻ひも

麻で編んだひも。

日本では麻の栽培は、基本禁止のため、海外から輸入されている。

そのため、日本で作られる麻ひもの多くは麻に近い違う植物を使い作られている。


〇手押し車

タイヤが1つしかない、運搬器具である。

諸葛亮がコレを発明したともいわれており、昔、山岳地帯に陣を構える際、人のみで運搬をするには効率が悪い場所をいかに対応するか考えた。

その結果、一輪のタイヤを取り付け、物を乗せる箱をつけた手押し車を発明した。

木牛と名付けられ、これにより山岳の細い道も一輪の小回りで難なく運べ、人一人が持てる量の3倍近くを一気に移動することができたともいわれている。


〇唐箕(トウミ)

牛ほどの、大きなからくり箱である。

手回し風車で中に風を作り、米などの種を入れ、風で不要なゴミを飛ばすことにより、種だけを収穫する道具である。


〇千歯扱き・足踏み脱穀機

千歯扱きとは、クシのようにたくさんの歯が付いた脱穀用の道具である。

刃先は、竹や鉄などでできており、非常にとがっているため、取り扱いには注意しないといけない。

歯と歯の間に隙間があり底に稲を引っかけ、種だけが隙間に絡まり、収穫できるという農具である。

足踏み脱穀機は、その歯が歯車のように並んでおり回転することで、少ない力で脱穀ができるという道具である。


〇はかり

重さをはかるために使う道具である。

大きさは同じでも、測れるものが違う場合がるため、自分が使うものに合わせて、準備する必要がある。

主な使い方は、収穫した野菜の重さを量ったり、畑にまく肥料などを計算するために利用する。







~ここから近代農業道具の説明~


〇耕耘機

小型犬くらいから、大型犬くらいの大きさをした、土を耕す機械。

鎌のような刃がいくつも付いた独特な歯車を回すことで、土を掘り返す仕組みである。

大きいほど力が強く、地面を深く掘ることができる。

小さいと、土が硬い場合、刃が土に入り込まず固い土に乗り上げてしまうで、その際はその土を人力で掘り起こさなければならない。

また、大型は、人が持ち上げられないほど重たくなるため、大型の耕耘機を利用する際は、トラックなどの田畑に運搬する道具が別途必要になる。

ほか、大型には、歯車を変えることで、草のみを除去するものや、畝作りを補助する機能などがあり、農作業の効率をあげるのに大いに利用できる。

注意する点が多く存在するので、ちゃんと理解する必要がある。

機械のため移動する前方に人がいると、独自の歯車で人をけがさせてしまうこと。

重さ故に、斜面などで傾き、そのまま引っ張られること。

大型などには、逆走する機能があり狭い場所で、戻る際に利用するのだが、操作ミスにより後ろに下がり、操縦者の上にのしかかる場合があること。

というように、使い方には、非常に注意が必要である。

当然のことではあるが、子どもが使用してはならない。


〇トラクター

牛くらい大きい、人が乗り降りして使う耕耘機を指す。

唐鋤(カラスキ)という道具があったが、動物を扱うために、農作業前に動物の体調を整えておく必要があったが、トラクターになってからは、その心配もなくなり、機械ひとつで土を耕すことができる。

また、トラクターには、耕耘、撒水、種まき、収穫など、作業に合わせて使える機材を変えることができるものもある。

雨などに対しても、屋根やドアなどが付いているため、濡れる心配もいらない。

最近では、衛生などを利用して、無線トラクターなども考えられ、機械で指示さえすれば、耕耘などをしてくれるものもある。

注意する点は、耕耘機より大型のため舗装されていない農道などでは、小回りがきかないため注意が必要である。

また、トラクター独自の注意点として牛より重たいため、耕耘をすればするほど、地面が少しずつ地面の底が固くなり固盤化してしまう。

トラクターにソイラという機具を取り付けて、耕耘することで改善することができるが、耕耘時間に1反8時間近くかかるといわれているため、ほどよく利用するのがよい。

大型のため、公道に出る免許も必要になる。

そのため、無資格者が運転することは禁じられている。

その他の注意点は、おおむね耕耘機と似ている。


〇田植機

田に稲を植えるために使う機械。

こういった、ある作物専用の機械はいくつもあるが、田植機ほど広く一般的に使われているものはない。

トラクターのように、乗って操作するものだが、足回りのタイヤが細い。

また、田植え以外に利用するといった使い方もないため、購入する際はその農作業で生計を立てる人向けになる。

置いておく場所も必要なため、乗り物としては使い道が少ない機械である。

使用方法は、専用の苗箱に種籾を蒔き、発芽させ、20センチほどの苗が育ったところで、機械に乗せる。

後は機械が自動的に苗を摘まみ取り、少しずつ田んぼに苗を植えていくのである。

注意点は、トラクターとほぼ同じである。


一部で、田植え機でありながらレトルトカレーを植えるものが存在するらしい。


〇草刈り機

草を刈るために使われる農機具である。

大鎌のように大きく、先にはノコギリの刃が付いた歯車が円形に取り付けられており、それがものすごい回転をすることで利用できる。

この機械は、回転が速いため、小石にあたると、ものすごい早さで飛んでいき、目などにあたる危険があるため、顔の前に、専用の保護マスクか、眼鏡などをかけて利用しなければならない。

また、刃が高速で回転するため、人などに当たるとケガをしてしまうため、利用者を見かけた場合は、半径10~20メートルには近づかない方がよい。

もし、声などをかける際は大声を出すなどして、相手に気づいてもらうなどが必要である。

特に、この機械は音が大きいため、気づきにくいものである。

その際は、笛などを利用するのがよい。

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