二章.自然農法を実際にやってみて
1.自然農法の技術について
作者の栽培方法
1.害虫や農薬の使用を減らす方法
・多品種の栽培
・連作をしない
・季節外れのものを作らない
・地域に合わせた品種を作る
これがまず基本となる。
農薬、特に殺虫剤についてはこの4つを守れば
かなり減らせると思われる。
その他、たい肥を入れすぎて翌年に
コガネムシが大量発生し、クリの木の葉っぱをだめにされた記憶がある。
虫の生育方法などを調べ、
どんな土が昆虫にとって住みやすいのか?
といった、情報も知識として知っておいた方が
よいと考えられる。
どうすればいいかわからない場合は、
1~2年畑として使わず、放置する勇気も必要と思われる。
2.肥料の混ぜ方・耕耘作業・雑草防除について
始めて使う畑であれば、
一度深く耕した方がよいと思っている。
理由として、多くの場合、1尺(20cm)くらいのところで
土が固くなり、クワも通りにくい場所が存在するため。
これは、長い間、耕した結果地面が固くなり、
そこより先に植物の根が進まない。
自然に壊れるのを待つという方法もあるが、
10年など長い年月になると思われるし、
それで効果があるかもわからない。
むしろ、この土を砕くことさえできれば、
野菜の育ちも大きく違ってくるので、この作業は必要と考えた方がよい。
ただし、砕いた後は栽培ごとに耕耘しなくてもよいと思われる。
理由は、耕しすぎによって地面が固くなったのだから、
それを繰り返しては意味がないため。
肥料と土を混ぜるのであれば、2寸(4cm)くらいとまぜ、
草マルチで覆うだけでもいと考える
また、自然農法で使う肥料は有機物のため、
効果が出るまでに時間がかかる。
土で分解されるのを待つよりも、
地面にいる虫などに食べてもらい
フンなどによって、
分解された方が効果があると思われるので
無理に土と混ぜず、
むしろ虫などが食べやすいように、
草で隠すくらいでよいと思う。
ほか、季節ごとの耕耘タイミングや、雑草防除について
まとめたので説明をする。
春
・風が強く木が倒れることもある
・冬の寒さで、枯れた植物はこの風により地面になぎ倒される
・土が乾燥しやすく、耕しやすいが風に舞いやすい
(夏に発芽し、秋に花を咲かせ、木枯らしによって枯かれた植物など)
・あおむしなどの、幼虫が多く発生し葉っぱなどを食害する
(春のアブラナ科栽培は控えた方がよい)
・雑草は比較的おとなしく、良くて2尺(40cm)ほど
・ただし、冬を超えて育った植物は大きく成長することが多い
(アブラナ科の大根や白菜の花は大きく広がる)
鹿児島では県下一周駅伝(2月中旬)あたりを持って、
農作業を開始している。
ただし、風が強く、また土も乾燥しておらず硬い。
時期としては風の落ち着いた3月の中頃あたりに
耕耘するのがよいと思われる。
(住まいの地域によってい違うため、あくまで目安である)
2~3月の間に、苗やたい肥などを準備する。
梅雨
・長雨の日照時間の少なさから、徒長しやすい
・春に花を咲かせ、実をつけた植物はこの時期に枯れる
・夏の雑草は、この時期に大きく成長し、幅を利かせる
・基本的に、上へと成長するが柔らかく、鎌で刈るためには、よく研いでおく必要がある
・育てている野菜のほとんどは、この時期に成長が遅れる場合があるので管理には注意が必要
・人の体調も大きく崩れる、自身の体調管理もしっかり行う
梅雨になると、畑作業が難しい。
耕すのはできないと思った方がよい。
下手に行うと、土が流れ出したり、土が固くなる。
しかし、雑草を放置すると、腰の高さまで大きくなる。
こうなると、自分が育てている植物に日があたらず、枯れてしまったり、
土の栄養をの奪い合いに負けて、大きく成長しない場合が考えられる。
対処方法として、雑草を刈るという方法があるが、
この時、根元(地面をえぐるように)刈る人がいる。
こうすると、雑草のない場所の泥がはね、
苗の葉にかかり病気を発生させ枯れる原因となる。
そのため、草を刈る場合は、
4寸(8~12cm)くらい上を刈る。
(こぶし一個分上から草を刈る感じ)
意識としては、駆除ではなく、”弱らせる”という意識で行う
毎日畑に行ける場合は、雑草を何度も踏みしめるだけで
成長を弱らせることもできる
通路の雑草などは、これだけでほぼよい
ただし、育てている苗がどう見てもひ弱なときは、
周りの雑草を根元から刈りこみ、通路などから草を集め
草マルチをすることで、成長を助けることも必要。
その際、雑草を根元までもっていくと、害虫が根元から
苗に近づきやすくなるので、少し間を開けマルチをした方がよい。
夏
・長雨の後、日照りが続くか、長雨が続くか、台風が来るか
という3択の起きる時期。
・日照りが多い場合は、雑草は程よく生かす必要がある。
・長雨が多い場合は、雑草は刈っておく必要がある。
・台風は、防風対策をする必要がある。
・この頃から、イネ科の植物が大きく成長し実を付ける。
分けつにより周りの草を押しのけるように広がる。
草も刈りずらいが、草マルチには非常に使いやすい。
必要な分だけ刈る方法がおすすめである
植物が大きく成長する時期。
昆虫も活発に活動する
この時期に害虫が多く出る場合は
肥料などのあげすぎ、益虫が住みにくい環境があったか
たまたま、虫を集めやすい悪い苗だったという場合である。
特に、植物は10作のうち3作くらいは虫に”ヤラレル”
と思った方がよい。
また、雑草対策と収穫に努めるのがよいと思われる。
理由は最初に述べた3つの通り。
夏の天気は、非常に厳しく、土を露出する環境だと
日照りで、苗がだめになるか、長雨で畝が崩れたりするか、
台風で泥が苗にかかり、だめになるかのせいが高くなる。
そのため、雑草は刈りすぎず、伸ばしすぎずを
梅雨以上に考えて作業するのがよいと思われる。
ほか、雑草が農道など多くの場所で大きく成長している時期
これらを刈りこみ、道路を整備すれば喜ばれる。
家に持ち帰り、たい肥倉庫にためておくと、なおよし
秋
・木枯らしがふく、前と後で大きく気温などが違ってくる。
・できる限り、寒くなる前に、土を耕して、畝を整理するのがよいと思われる。
・春にミツバチなどを迎えるために、菜の花など育てることをお勧めする
春作った畝が、梅雨や夏の長雨などでだめになった時期と思われる。
秋のうちに、畝を整えるのがよいと考える。
(むしろ、畝の手入れはこの時期以外しないくらい、がちょうどよい)
また、根もの野菜(さつまいも、にんじん、ごぼう)といった野菜
などはこの時期あたりに収穫を行うので、
畝を一度壊しよく耕耘するのであれば、こういった野菜を事前に育ててから
収穫と同時に行うのがおすすめかと考える。
冬
・虫なども少なく、雑草も伸びにくいので特にやることは少ない
・たい肥作りなど、来年の準備を行う
夏に集めた農道などの雑草を、何度もひっくり返す。
そうすることで、少しずつ草が分解されよいたい肥ができる。
果樹などを育てている場合、この時期くらいに肥料やたい肥をまく。
最後、作者おすすめの畝の形
___
| |
| |5
| |尺
| |
|___|
3尺
畝は5尺(1m)
幅は3尺(60cm)
___ ___
| |2 4尺 | |2
| |尺 あける | |尺
溝 溝 溝 溝
______________________
高さは2尺(40cm)
溝を作ることで、モグラが畝へ寄りにくくなる
また、4尺ほどの通り道を作る。
この場所は、草マルチが足りないときに使ったり、
益虫の住みかとなる場所となる
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