第24話 妹奪還作戦 part3
「隠し階段とはな…」
ポツリとリザードマンのディムは呟いた。
「まぁ、とりあえず入ってみようよ」
オーガのプレアはそんな様子を気にせず催促した。
「そうだな」
そう言うと勇人とプレアは階段を降りていく。
「お、おい。待てよ」
慌ててディムも勇人についていった。
「な、なんだこれは……」
階段を降りたらそこにはゴブリンたちがギャアギャアと叫びながら牢屋に閉じ込められていた。
「こ、これは」
中を見ながら勇人は呟いた。
部屋はとても広くその真ん中には何か魔術用の魔方陣が書かれていた。
そこへプレアが歩いていく。
「おい!あんまり無用心に行くな!どこに敵がいるわかんないんだぞ」
そういうディムを無視しドンドン魔方陣へ近づいていくプレア。
やがて、魔方陣の真ん中に立つとバッと振り返り勇人たちと向かい合った。
「どこに敵がいるかわからない??ふ、ふふっ、フフフフフ、フハハハハハ。
どこにってそんなもの最初から近くにいたよ!」
そう言うとプレアの容姿がオーガの姿から青髪碧眼でスラーっとした体型の美青年の姿に変わり背中から、魔族の翼が現れた。
「なっ、貴様裏切ったのか…」
驚愕と絶望を顔に写しディムは言った。
「裏切り?僕は最初から仲間だと思ってないよ」
ニタニタと笑いながらプレアは言った。
「仲間内の揉めあいは後にしてくれ、それよりもお前俺の妹はどうした?」
怒りながら勇人は尋ねた、
「ああ、それは後でのお楽しみだね」
「てめぇ!」
そう言いながら全自動武器選別機全自動武器選別機マルチウェポンを剣に変えて斬りかかっていく勇人、しかしプレアは捉えきれないスピードで勇人の後ろに移動し背後から回蹴りを繰り出した。
「ぐはぁ!」
勇人は部屋の奥まで吹き飛ばされる。
「勇人!」
「人の心配している場合じゃないでしょ」
プレアはそう言いながらディムの目の前に一瞬で移動。鳩尾に肘打ちをくらいディムは部屋の奥に吹き飛ばされた。
「ぐ、ぐぅ」
よろめきながら2人はたつ。
「フハハハハハ、弱いねぇこんなんで君はあの方のお兄さまなのかい?」
ニタニタと笑いながらプレアは言いはなった。
「な、なぜお前がそれを…」
驚愕をあらわにしながら勇人は言った。
「弱い者に教える必要は無いよ。それよりも君たちには僕の実験に付き合って貰おうかな」
そう言うとプレアはゴブリンの牢屋を指を鳴らして開け、魔方陣に魔力を込め始めた。
「な、なんて魔力量だ…」
プレアの膨大な魔力にディムは膝を着く。
やがて魔方陣はぼんやりと輝き始めた。すると部屋にいたゴブリンたちは青く輝き始め魔方陣に次々と取り込まれていく
「さあ!見るがいい僕の研究を!これは合成実験。弱き者でも強くなれるという証明さ!全ては魔王様の世界征服のために!」
そう言いながらプレアは魔方陣を発動させた。
ズゥゥゥゥン
「なんだ、地震か!?」
地響きが鳴り響く
それを起こしているものは大きい
部屋すれすれまでの身長で魔方陣を大きくはみ出すほどの太さを持っていた。そこにいるゴブリンは普通のゴブリンとは違う体格、そして尋常じゃない魔力をはなっていた。
「これはクイーンゴブリン!此処にいたゴブリンたちを使って作ったゴブリンの女王さ!」
その圧倒的な相手の実力の差に勇人とディムは息を飲んだ。
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