異世界でも貴女と研究だけを愛する

香宮 浩幸

第零章 とある青年の記憶

endingから始まるprologue

……春の草原


そこではどこの世界でも変わらず、心地よい風が吹き付けている。


その中で自分の傍らには大切な人たちが笑顔で立っていた。


たぶん……ものすごく心配をかけていたと思う。


だから後で死ぬほどあやまっておこう。




……そして自分の胸の中で泣いている自分の最も大切な人。


貴女にはあやまってもあやまりきれないし


あやまっても許してはくれないだろうしな……


だから、この場所に立っていること自体が貴女のおかげです。


と、そう伝えるだけにとどめておこう。


謝罪は今度こそ一生かけてやればいいから。


だから、今伝える言葉は一言で十分だろう。


「       」


その言葉で全ての意味を分かってくれたようで、貴女は僕の胸に顔をうずめた。


その幸せの中で、俺は始まりの出来事を思い返す


体感でほんの数十年ほど前の想いとともに……

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