魔法使いだらけの世界に転生されて困惑の俺〜こんな扱いはウンザリだ!〜

町田ヤン

第1話 「どこや」

いつも通りの朝、のはずであった。



俺は目ヤニの付いた眼(まなこ)で辺りを見渡すと、魑魅魍魎としか表現出来ない動く何かや、群青色ではない空、見たことのないこれまたなんと表してよいか分からぬ植物たちと地面もどき。



気が狂ってしまったのか俺は。

勉学に励む為の準備をする為の余裕を持つ時間を作成する為の目覚まし時計が無く、机一体型のあまり洗っていないベッドが無く、早朝日照りで眠る顔が焼け付く小窓が無く、周りは黄緑色の肌の二足歩行のツノらしき骨が飛び出た異人や、見た目俺と全く変わらない人種風がやけに古臭い、いや、古風な服で着飾っている恐らく女、や、男ばかりで、馬や牛の鳴き声だらけの中、俺は立派なデザインの木製の門の様な前で突っ立っていた。


やはり遂にいよいよ気ィ狂うてしまってこの破壊的なビジュアルの空間が見えてしまっているのか、等と心中あたふためいて、体硬直でその場で動かないでいると、突然、門の両端に設置されている鎧甲冑を着たごつい低い声の恐らく男に、何者だ移動魔法は門外で行うべきだ法を守らぬものの行く先に送り込んでやる、と、早口でまくし立てられ、そのまま力強くごつい甲冑男に腕掴まれて移動時間五分程で牢獄に入れられた。


まだ何も分かっていないが、取り敢えず夢でも幻でも幻覚でも気ィ狂うた訳でもなく、現実的に俺はおかしな世界に神かそれ以外の手によって地球から移動させられてしまったのだということを、冷たい鉄柱を掴み揺らしながら、涙を流しながら、恥も外聞もなく叫びながら納得いかぬが把握した。

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