第43話

その先輩は、いつもはいないが、その日、いちばん、しんどい、やくまわりを、わたしに、まわす。そんな、こと、まだ、やってるなんて  不幸なわたしにも、きぼうが、あるだろう  そう分かる。         バイクの音だ。午前4時。比較的、すきな同僚だ。わたしの、ラブレターを、よんだはずなのに、だれにも、言わないで、こっそり、わたしの、上司への、恋を、応援している。                    その上司は、わたしのことが、好きなはずなのに、わたしに、手出しが、できないでいる。かべが、あるからだ。上司と、わたしとの、あいだに  100万メートルの、100フィートの、かべが、そびえたつ。   隣の部屋にいるので、じっさいの、距離は、3メートル。             でもわたしはずっと、その100万メートルの、100フィートの、四方のかべの、なかで、生きてきたし、かべを、越えようとも、しなかった。恋をするまでは。     そのかべは、動かない・・・・がっしりと、どっしりと、びくとも、しない        核ミサイルを、おとす、くらいじゃなきゃ。                   わたしは、じぶんに、いいきかす     上司は、悪くない。悪いのは、かべだ。わたし、じゃない。

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