5-12 魔王戦決着

どうも焔です。本気を出して魔王を倒そうと思います。




無数の斬撃の応酬をしながら会話をし了解を得たので少し本気を出す。


まずは、グリードを蹴り飛ばし、距離を作り魔法の余波でグリードがやられない様にする。




「無数の亡者を屠りし、地獄の業火よ、我が肉体を包み護る鎧となりて、迫りくる脅威から守り給え。」




詠唱破棄で詠唱しないで済むが、こういう時は、詠唱した方がかっこよさそうだし…ごめんなさいただの厨二心です。


俺の適当な詠唱に応えるように俺の足元に地獄の門が作られそこからグリードの放ったゲヘナの業火と同じような焔が俺の身を包む。だがさっきとは違い、熱くもなければ皮膚を溶かされることもなく、温かく俺の身を包んでいる。




「魔界の最下層コキュートスの獄氷よ、我が問いに応じ、全てをはじき守る籠手となれ。」




空間が歪み触れるだけで凍るほどの冷気を持った氷の塊が現れ、手を包む。


クリスタルのような透き通る青き籠手が俺の手を包む。




「廃退の風よ、全てを衰えさせる最強の風よ、我がマントとなり、我に降りそそぐ厄災全てを衰えさせ朽ち果てさせよ。」




亜空間から銀色の風が現れ、焔の鎧を包むように銀色のマントとなりて我が身をまとう。




「これでラスト、インドラの槍よ、インド神と子の神格の元、真なる姿で我が手に来い。」




右手を前に突き刺すと、手の前の空間が裂けそこから猛々しい青い雷を纏った金剛杵が現れる。


それを掴むと雷は、槍のような形を形成する。


今の俺を一言で表すと存在破綻者だ。


普通に考えてくれ、纏っている一つ一つ全てが世界を壊すほどの力を持っているのだ存在すること自体がおかしいことだ。




「なんでこんな存在が居るの?存在が世界の破壊の塊じゃない。」




グリードは、俺の纏うもの全てを理解し恐怖している。と言うかグリードって結構恐怖やビックリばっかしてね…ニヤニヤ




「行くぞ。‥‥ウワッ」




俺は、一瞬にしてグリードの前に行き、大声で叫ぶ。




「きゃっ」




俺は、攻撃するのではなく、ただ大声を出し、驚かせた。するとグリードは、少女のような声をあげながら尻もちを付く。


よーく見ると震えており、少し床が濡れているように見える。




「戦意喪失、お前の負けだ。」




俺は、全装備を解除しグリードに背を向け日影たちの方へ戻る。




「まだよ」




グリードが涙目ながら決心したような顔をし、炎の剣を飛ばしてくる。




「甘いわー」




威圧+インドラの槍を振り炎の剣を弾きながらグリードの首元にブラッドメタルの剣を突き付ける。




「っつ」




これ以上動いたら死ぬと直感で気付いたのだろう息すら止めそうな勢いで目をつむり微動だにしない。それに、床の水たまりの大きさが変わっていたのは触れないでおこう。




「怖いのならやるなよ」




これ以上何かされるのもめんどくさいからブラッドメタルを使ってグリードを縛る。




「焔、縛るのはいいと思うけど亀甲縛りはどうかと思う。」




グリードの手足とついでに私欲で胸を縛ったら日影が亀甲縛りと罵ってきた。




「何を言う亀甲縛りはこうだ。」




ブラッドメタルを操り亀甲縛りをする。




亀甲縛りとは、体を這う縄が六角形になることから付けられた名前だ。俺はグリードの股の方には縄を通してないため六角形の形を作っておらず亀甲縛りにはならない。


まぁ結局説明の為に亀甲縛りをしたら手遅れなのだろう。


やっぱり、グリードはスタイルが良いな、主に足や胸が良い亀甲縛りをされているためスリットの入ったロングスカートが股のところまで持ってかれ、足が丸見えになっている。




「もう何もしないからこれ外して、すっごく恥ずかしいから。」




グリードは手を後ろに回し観念したようなジェクチャーをする。


仕方なく縄を解く。




「よーし、んじゃ約束通り話し合いをしたいが…ちと疲れたし一回、家に帰るから一緒に来いグリード。まあ拒否権は無いのだがな」




世界を元に戻し亜空間転移装置を起動する。家の地下に設定しておいたテレポーターと接続する。




「グリード確保、一旦帰宅」




俺は、未だ地面に伏しているグリードを担ぎ、テレポーターの中に入る。


その後ろから香蓮たちがついてくる。




~焔たち、帰宅~


ポータルを抜けるとメリソスの旧ヘングレ宅・現俺たちの拠点の地下に出るというか出るように設定いしてある。


帰り用に魔王城にもテレポーターを設置しておいた。




「ふぅ~最近、俺しっかりと戦ってなくね?」




今思うと、最後にガチ戦闘をしたのはメリソスダンジョン内での日影との戦闘位だ。


グリードとも一応戦ったが、ガチ装備を出しただけで驚かれ失禁され不戦勝だし。


「焔とさしで戦えるの日影位でしょ」




香蓮がお茶を飲みながら何言ってんだこいつといった感じの表情で答える。




「いやー今の焔なら私以外にも倒せるのが何人かいるよ。」




ここで衝撃の事実、今まで俺TUEEEEしていた俺を倒せるのがまだゴロゴロ居るとか…燃える。




「今後に期待だな、疲れたし風呂に入ろ。 グリード行くぞ」




床に座っているグリードに声をかける。




「うんわかっ…てないなんで私が、あなたと入らなきゃいけないの?」




グリードは、無意識に返事をしそうになり、赤面しながらキレてくる。最近の子はこれだから。




「あなたのほうが年下よ」




「あっそ、でも俺と入らないと皆の前で秘密がバレちゃうぞ。」




『「グリード聞こえてますか今あなたの脳内に直接語りかけています。」』




「うっわキモ頭の中で焔の声が聞こえる。」




念話で話しかけてやったのに声に出しやがった。




「うっせー女だな念話なんだから頭の中で話せ。次声に出したら強制連行+お仕置きだからな」




『「んで、本題なのだが、お前の隠している私情をこいつらの前で話すのと俺と裸の付き合いをして、安心安全に話すのどっちを選ぶ。まぁめんどくさくなれば勝手にお前の記憶漁って情報抜き出すでもいいけどな。後そのままだと気持ち悪いだろ」』




俺の視線は下を向く。




『「あなた本当に勇者なの?魔王の方が適正なのでは? 後それって私に拒否権ないのよね…仕方ない一緒に入るわ。」』




「よーし、グリードと一緒に風呂入ってくるわ、俺たちが出るまで風呂場に誰も来るなよ、来たら殺す。」




威圧をしながらグリードの手を掴み風呂場に行く。


俺は、空間魔法をアイテムボックスのように使っているため服の予備などが有るがグリードは、半ば拉致のような状態で服や下着などが無さそうだったから、俺が創造で一式を創り出した。どんなのかは風呂を出てからのお楽しみだ。

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