4-4 メリソス

 どうも焔です。メリソスに到着しました。




「ここがメリソスか…なんか暗いな」




 空は晴天で太陽が出ていい天気なのだが何故か暗いと錯覚してしまう雰囲気を町がしている


 それは、何かを憎むようなどす黒いようであり、嫌なことがあった時のような暗いようであるうまく言い表せない感じだ


 とあるTRPGだったら正気度チェック不可避な雰囲気だ




「多分ダンジョン化したのが原因なんですよ」




 香蓮はそんなことを言いながら中に入ろうとする




 町と言っても小さい壁が町を囲むようにあり入口用の門がある中心に道が通っておりそれを囲むように家や店が立ち並んでいる。


 その中でも目を引くのが周りから一回りぐらいデカい豪邸がある




「あれが、例の豪邸か」




 町全体から出ていると思っていた異様なオーラはあの豪邸が原因だった




「うっわーあの家が目的地だと分かってても行きたくねぇな あれ完全にヤンデレオーラと同じだよ」




 理解できたのか日影と香蓮は頷くがアスは分からず頭を傾かせる




「アス可愛い、しゅき」




「主キモッ」




 心に何か刺さった気がするが俺の鋼のメンタルで耐える




「んじゃ取り敢えず町の探索しますか」




 俺達は、監視すらいない門を超えメリソスの中に入る




 町の中では外で感じたような異様なオーラが嘘のように無くなり、パッと見ベルスターと同じ位活気があるように感じる




「えっあのオーラが消えた?」




 香蓮は今まで感じていたオーレが消えたことに驚き戸惑っている




「香蓮もう一回外に出てみ」




 香蓮は戸惑いながらも指示に従いもう一度町の外に出る




「うっまただ」




 町の活気から急に異様なオーラを浴びた香蓮は逃げるように町に戻る




「これがダンジョン化したという証拠と普通の町だったと言う言葉の答えだと思うぜ」




 この町は外部から見ると異様なオーラを放っており、あからさまに何かあったであることが想像できる雰囲気を出しており、いざ中に入ると活気よく普通の町と何も変わらない異様性を醸し出している。




「なら、今すぐあの豪邸に行き原因を突き止めましょう」




 香蓮は今すぐこの町から逃げたいのか豪邸のほうへ歩き出そうとしているため止める




「待て、いま行った所でお前が侵入者って事で囚われて終わりだ。


 ゲームとかでも速攻黒幕の所行ってもこっちが悪もん呼ばわりされて終わりだろ」




 香蓮は確かにと頷く




「んで主、今後の予定は?」




 アスが半目で問う




「もちろん宿探し&町の探索に決まってんだろ、町の外からは異様な雰囲気でも中は平和だから外に出なきゃいいだけだろJK」




 デスヨネーと言わんばかりのため息が聞こえる




「まぁ情報収集もしっかりするんだけどな」




 そんな話をしながら町の大通りを進む


 大通りでは、ベルスターと同じようにいろいろな出店が並んでおり、売り子のおっさんや女将さんが声を張り上げている




「やっぱり大通りの出店は祭り、異世界の醍醐味だなぁ」




 ベルスターでは売ってなかった焼き鳥のような串焼きを購入しアス達に餌付けしながら宿を探す


 それにしてもこの鶏肉(仮)は旨いな、タレと肉がうまい感じにしみ込んで焼き加減も丁度良くって口の中で肉汁がはじける…とうまくもない食レポをしてみました〇




「焔、あそことかどう?」




 日影が指さす先にはINNと書かれた看板が垂れ下がっていた




「いいねぇ、あからさまに宿屋って感じで好きだぜ。」




 俺はそのまま扉を開け宿屋に入っていく




「いらっしゃいませ」




 中に入るとウェイトレスのように客に食事を運んでいる女性が挨拶してくる


 中は食堂のようになっており、何個かの机と椅子が置いており何か所か冒険者の人が座っている


 右に階段があり宿自体は2階なのだろう




「食事でしょうか、宿でしょうか」






 一段落したのか女性がこちらにやってくる


 女性は20代前半で165㎝ぐらいで胸も標準的にあり茶髪ポニーテールで元気はつらつで、対応されているこっちまで元気になる




「宿をお願いします」




「分かりました日数はどうしますか」




「日数は1泊で延長したい場合、明日また言います」




「分かりました。ご飯の準備はどうしますか?」




「朝ご飯と夕飯をお願いします。」




「分かりました。では大人一人銅貨三枚 お子さんは銅貨1枚になるので計銅貨10枚になります」




「すまん、多分こいつのこと子供だと思ったかもしれないが、こいつ一応大人だから銅貨12枚ね」




 俺はアスの頭を撫でながら女性に銅貨12枚を渡す




「申し訳ありませんでした。かわいかったので思わずお子さんかと思いました」




 かわいいと言うところは同意するがアスが羞恥で震えている




「おどろかいないでくれよ…だが男だ。こいつ」




 俺の言葉に女性と食堂で飯を食べていた数人の人が固まる




「主、そうだけどなんでそんな重大そうに言うの」




 恥ずかしさが限界を超えたのか顔を真っ赤にしながらポカポカ叩いてくる


 あっ数人の人が鼻血を出した…わかりみが深い




「…っは、申し訳ありません。こちらがカギです。お部屋は2階に上がってもらった突き当りのお部屋です。」




 女性はカギを渡すと鼻を押さえながら奥のほうへ消えて行った




「よーし、んじゃ部屋に行って少し休憩しますか」




 俺はカギを弄びながら階段を上る


 階段を上ると左右等間隔に扉が有り、10組ぐらいが泊まれそうだ




 廊下を進み突き当りの部屋にカギを差し込み回すとガチャッという音が鳴りドアノブが回せるようになった




 ドアを開け部屋の内装を見るがビジネスホテルと同じようで机とベッドがあるだけのシンプルな部屋だ




「おぉーホテルみたいな感じで良いんだが…」




 部屋はすごくいい感じで現代でもよくホテルに行っていたから慣れているし、悪い点は殆どないのだが…




「ねぇ焔なんでベッドが」




 香蓮もそこがやっぱり気になっていたんだ…安心しろ俺もだ




「俺も思ったなんでダブル1つにシングル3つなんだよ!だったら初めからシングル5にしろよ!!」




 そう問題はなぜかシングルが3つのダブル1つのベッドだ


 だって、ダブルが一つあるってことは…




「では第一回焔と寝るのは誰か会議を始める」




 やっぱり日影が謎の会議を始める




「そんなものは始めません。俺はシングルか、最悪、椅子で寝るから良い」




 机にはシングルチェアがついており学校でよく寝ていた俺からすると椅子で寝るのは造作もない




「えぇ~一緒に寝ようよぉ」




 日影が体をくねらせながら言ってくる




「嫌だ。お前と寝ると寝ている間に何されるか分かんないし」




「そんなことしないよぉ~」




「うっせ前科もち」




 そう、こいつはティーシ宮で俺が気絶している間にイロイロした前科を持っている




「なら主、さっきのご褒美にボクは主と一緒に寝る権利を主張する」




 アスはデーンと胸を張りながら言う


 めっちゃかわいい




「うっなんでもって言ってしまったから良いぞ」




「やったーありがとう主」




 アスは喜びのあまり俺に抱き着いて喜んでいる


 アスの後ろでは二人の獣が睨んでいる




「アス…死ぬなよ。んじゃ解散、皆 自由時間とする。飯の時間までには帰ってこいよ」




 俺は速攻部屋を出て町に出る


 後ろではアスの悲鳴が聞こえるが聞かぬふりをする




 階段を下りるとさっきの女性が机を拭いていた




「あ、おねぇさん上がうるさいかもしれないけど許してくれ」




 女性は顔をある




「わかりました。あまり大声で話さなきゃいいですよ。あと私は、ベルといいます」




 ベルさんは笑顔で言ってくれる




「ありがとうございます。何か他のお客さんから文句があったら教えてくれ。あいつらを〆るから」




 俺はそんなことを言いながら宿を出る


 部屋のカギを閉め忘れたが俺の魔力を空気中に混ぜておいたから問題を起こしたら俺のところにすぐにわかるようにしてある




「ん~では、出店の多いほうへ行きますかな。」




 俺は、売り子の声が多く聞こえる広場のほうへ行く

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