3-1 王都に向けて
どうも焔です。現在ティーシ宮を抜け王都へ向かっている途中です。
「はぁ怠いな。絶対王都に行ったら香蓮達に会うんだろうなぁ~」
俺は簡単に想像できる今後の展開に憂鬱な気分になりながら、足を動かす
「主がそんなに嫌がるってそんなに嫌な人間が多いんですか??」
アスが首をかしげながら聞いてくるあぁいやされるわぁ~アス、マジ天使
「違うよアス、焔が行きたくないのは、他のクラスメイトと別れるときにかっこよく消えたくせにひょっこり帰ってきたときのみんなの反応や香蓮の対応のことを憂いているの」
日影が俺に聞こえないようにアスの耳元で言うがステータス補正なのか俺にも聞こえてくる
「うっせそうだよ、絶対あのバカどものことだから何があったのかとかでてんやわんやするし、香蓮なんて絶対に今度は一人で行かせないとか、次一人で行こうとするなら私も参加するとかめんどくさいこと言いそうだしな」
香蓮達に会うことを再度考え自分の言った通りになった場合のめんどくささにため息が漏れる
「それ以外に香蓮に告った矢先他の女や女と見間違うほど可愛い男の娘が居たらどうなるんだろうねニヤニヤ」
日影が死の宣告をする
「うっわー忘れてた最悪、そういえばお前らのこと香蓮達知らねぇのかめんど鬱だ。」
絶対に修羅場になるな しかも周りのやつの目線が香蓮といた時の比じゃないぐらい殺気立つな
「もう何も考えたくないなるようになれ~」
俺は吹っ切れて横に歩いてたアスの頭をワシャワシャしながら難しいことを考えるのをやめた
「っちょ主ボクの頭わしゃわしゃするのやめて髪の毛とんじゃうし、歩き辛くなるから」
実際アスの髪の毛は所々跳ねていてボサボサになっていた。
「ふぇ~ん日影~アスがいじめるよぅ~」
嫌ということをやる主義じゃないから今度は日影のほうに甘える…嫌ということをやる主義じゃないっていうのにえっ??ってなった奴は後で殺す
「よ~しよ~し例え香蓮と修羅場になっても私は焔の味方だよ」
日影の方に行くと日影が抱きしめてくれて乳が顔に当たる
「…っはなんで俺は日影に甘えてるんだ。こいつに甘えたら喰われる」
俺は乳の柔らかさに夢心地になっていたがふと日影の言葉で現実に戻る
「ちっ」
日影が舌打ちをする
「日影さんなんで舌打ちしたんですか??」
俺が敬語で聞く、他人を煽るときや恐怖心を与えるときは敬語など謙ることをお勧めするよ
「いやぁ~純粋にこのまま焔を私のものにしようかなぁ~って思っただけ」
日影が冷や汗をかきながら暴露する
「よ~しわかった。日影有罪ギルティな」
俺は日影が動き出す前に時魔法のストップを使い日影が逃げないようにし空間魔法のプリズンで日影を捕まえ、幻影術の幻影をプリズンにかけプリズンを周りから見えないようにし最後に躾プログラム(性)を王都につくまでという設定にする
「んないつの間に」
時が動くとともに日影は自分の置かれている状況を理解する
「いやぁ~俺のペットが主に逆らおうとしたからちょっと躾でもと思ってな。まぁ安心しろどんだけ声を出しても外に漏れないしどんだけ痴態を晒しても俺とアスぐらいにしか見えないから」
俺はマジキチスマイルを浮かべながら説明してあげる
「お待ちください」
どっかの野菜人の息子に殺された父親のような反応をする
「できぬぅぅ…まあ安心しろ王都までの設定だから後2,3分だろう」
王都はまだ見えず普通に一般人が歩いたら1,2時間掛かる道のりだ。
そういいながら俺は前を向き歩き始める 後ろで日影の嬌声が聞こえるが鉄の理性で耐える
「主、鉄の理性とか言いながら大きくなっていますし耐えられなかったのかアイテムボックスに入れましたよね」
アスがどことは言わぬが大きくなっているものを見ないようにしながらも興味があるのかチラチラ見ながら言ってくる。
後、日影の声が術者の俺にだけは聞こえてくるのか耐えきれなくなってアイテムボックスに突っ込んだ。
アイテムボックスは空間魔法のレベル1魔法だが練度が上がるにつれいろいろ設定できるようになる。
今回は時が普通に流れ酸素供給が出来るようにした。
またプリズンに捕えたものなら無機物判定してくれるのかすんなりと入った。
ここらへんもしっかりと調べる必要がありそうだな。
「なに??ボクも日影と同じようになりたいって??」
俺が軽い威圧を掛けながらアスに聞き返す
「そんなこと言ってないよもういい、それより早く王都へ向かおうこのままいつものように茶番してたら日影が違う意味で壊れちゃうから」
アスが少し早歩きになる
「理性が壊れるんですね分かります。しゃあないアスは肉体に慣れるという体で俺はステータスによる変化を確かめる体で全力で走るぞ、ただし人の気配が増えてきたらかるくかけ足で」
俺は言い終わると軽く足に力を入れたら地面が爆発して前に飛んだ。
なぜ走るではなく飛ぶと言ったかというと力を入れすぎて鉄砲のように前に飛ばされたからだ。
実際日影との訓練やアスとの戦いでダンジョンに入る前よりヤバい成長をしてると知ってはいたが軽く力を入れただけでこれほどの力とは思わなかった。
「主大丈夫ですか??普通の人だったら空気圧で死ぬような速度で飛んでいきましたけど」
アスが少し遅れてだけど走ってくる
「おぉここまでステータスが上がってるとは思わなくてなちょっと驚いたそういうアスは問題なさそうだがなんでそんなに砂が付いているんだ??」
追いついたアスの体には砂埃が付いていた
「そりゃ~真横で不意打ちに爆発が起きたら誰だって砂埃の一つや二つ付くでしょ」
アスは少し怒ったように言う
「そやそうかすまんなアス怪我は無いか??」
不可抗力とはいえ俺の行動で起きたことで傷つけたとなれば俺の中では一大事だ。
「主、ボクがそんなか弱に見えますか」
アスが頬を膨らませながら聞いてくる…地味に器用だなあいつ
「うん、実際見た目普通に女の子だし戦力的にも俺らの中で最弱じゃん」
「グサッ」
見えない何かに切られたかのようにアスが崩れる
「大丈夫かアス!!」
謎の敵からの襲撃だと思いマップを発動し周りを確認しながら右手にブラッドメタルを準備して崩れたアスに近寄る
「ぼ…は…ない…く…く‥ない」
アスは下を向き何か呟いている
「どうしたアス」
俺は耳を近づけアスの呟きを聞く
「ボクは女じゃないし、弱くもない」
「えっ??」
「ボクは弱くないし、しかも女の子じゃないもの、主のばか」
アスが顔をバッとあげる
目の端に涙を浮かべキッと睨み付ける
あぁ俺の言葉が心に刺さって崩れ落ちたのな少し安心した。
「はぁバカはお前だよアス敵襲かと思って焦ったじゃねえか」
俺はアスにデコピンを食らわす
「なんでなのさ」
さっきよりも怒りが強くなった今手を出したら確実に噛まれる自身がある
「まず、急に崩れるなめっちゃ焦ったじゃねぇか。後お前が女の子だとか俺らの中で一番弱いとかでショックなんか受けんなお前はそういうキャラなんだから諦めろ」
俺はキッと睨むアスの顔を両手で挟み目を見る
「しょれって励ましてるのか貶してるのか分からないよ」
タコのような顔になりながら聞いてくる
「俺的には励ましてるな。まあアスが強かろうが弱かろうが俺のものってことは変わりないしお前を弄っていいのは俺と日影ぐらいだと思うから安心しろ。後はまぁおまえはお前のままが一番俺は好きだぞ」
最後になるにつれて自分で何言ってるか分からなくなる
「主って器用なくせに不器用なんだね」
アスがクスッと笑った
「うっせ、なんかイラッとしたからお前も有罪ギルティ」
俺はアスを御姫様抱っこするとさっきと同じように飛んだ
「きゃぁぁ主ストップストップこわいこわいこわい」
飛んだと同時にアスが絶叫し俺から落ちないようにがっちりと首に手を回す
「人の耳元で騒ぐなじゃかしい」
俺はキーンとする耳に顔をしかめながらスピードアップする
「きゃぁぁぁぁなんでスピードアップするのぉぉぉあるじのばかぁあぁぁ」
アスは恐怖からか俺の首を噛んでくる
「痛い痛いアスさん噛まないでもらえます??」
俺はスピードを維持しながらアスに問いかける
「知らない」
アスは首を噛みながら器用に答える… あっ血が出てる
「はぁまあいいかアスもうちょいスピード上げるから気をつけろよ」
そういいながらもう一段階スピードを上げる
その後話題になるほどのことは何も起こらず王都の門が遠目で見れるぐらいまで近づく
話題に出すとすれば道中ずっとアスが俺の血を舐めていた点ぐらいかな
「よし王都の門が見えて来しアス降りろ」
未だ強く首に手を回してるアスに言う
「やだ、だって主の血がおいしいから」
アスは噛んで出来た傷跡から出てる血を舐めたり吸ったりしながら答える。
「はぁなら仕方ない自分で降りないなら実力行使に移ろうかな丁度日影を解放しようと思ってたから」
俺の言葉が終わるか終らないかの刹那の時間でアスが降りる
「よ~し主、日影を解放したら王都に行こう」
口の端に付いた血をぺロっと舌で舐めとりながら答える
「はぁ着実にアスが俺のペット化してるな」
そんなことをいいながら俺はアイテムボックスを使い日影の入ったプリズンを取り出す
「あっほむりゃだぁ、あははは、私といいことしよ」
全身触手のテカテカと汗で見せられない状態になっていた。
「うっわ~主これはヤバいよ」
アスがドン引きしている実際俺もやりすぎたと思っている
「やっば、アス誰も来ないように見張っててちょっと日影の方に行くから」
そうとだけいい俺はプリズンの中に入り外から見えないようにする
「日影放置しすぎてすまん」
俺が入ると同時に日影が這いずりながら寄ってくる
「なんであやまりゅの??そんなことより楽しもうよぅ」
日影は俺の足元まで来ると俺の息子をワサワサする
「すまんな楽しみたいがここだといろいろ困るからまた別の場所で機会が有ったらな」
ここまで壊れるとは思わず自分の愚かさにイラつきを感じながらも今は日影を救うことを優先する
まずは汗や触手の粘液で汚れた体を綺麗にするためにお湯を生成し日影にかけながら洗う
「あははあったかいあはは焔くすぐったいようぅ」
お湯の暖かさや体を洗っている俺の手に笑っている
日影の体は汗や粘液のせいで少し冷たくなっていた
「はぁ日影、正常になったら何か一つ言うこと聞いてやるよ、ただし未成年に見せられないのは禁止な」
「わかりましたぁ」
そんなことを言っていると大まか洗い終わり体温も通常ぐらいには戻った
「よしじゃあ次は乾かすか」
タオルなどの日常品をそんなに持ってないため
風魔法と火魔法を合わせヒーターより少し冷たいぐらいの風を当て水を乾かす
「あははあたたか~い」
「それはさっきも聞いたよ」
子供が扇風機で遊ぶように風の方に顔を向けあ~って言いながら遊んでいる
「よし次はやっとこさ精神的回復をしますか」
髪の毛にまだ水っ気が少し残ってるが大半乾いた日影の体を抱きしめながらエクストラヒールを掛ける
「あっ焔だぁ~やっと終わったんだ~」
「ごめんな日影、辛い思いをさせて」
日影の言葉に心を傷つけながらも日影を強く抱きしめ
「アス待たせてすまん大丈夫だった?」
俺はプリズンから出て外で見張りをしていたアスに状況を聞く
「問題ないよ、それより日影は...寝てるのね」
アスは俺の背中で寝ている日影を見て安堵の顔をする
「あぁ精神的にもいろいろヤバかったが今は寝てるよ、起きたらどうせうるさいだろうけど今回は重んじて受けるよ」
そういいながら俺らは王都の門に向けて歩く
有罪
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