刀と神通力の世界で記憶喪失だけど僕は元気です。
昭平 和成
第1話
その人は、抱きしめられるのを待つかのように手を広げて、僕の方を向いて微笑んで立っていた。
僕は、無性にその胸に飛び込みたくなった。けれどそれをその人は望んでいないことは知っていた。
僕の手には刀が握られていた。その人の衣装は、合わせ目を反対に着付けした白装束だ。僕は自分の役目を嫌でも理解せざるを得なかった。
静かに刀を振り上げるとその人は何も言わずに目をつむった。僕も何も言わなかった。
ずっと一緒にいた。言葉を交わすことはついになかったけれど、僕はその人の事を全て知っていた。だから、この役目を果たす事に僕は誇りすら感じていた。
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