白百合共依存
ユラカモマ
白百合共依存
仲いいねって言われる。そりゃそうかもしれない。だって、家が近所だからって一緒に登校して同じ教室で過ごして放課後も一緒に遊びにいくのだから。でも、みんな知らない。私達の本当の関係を。
「今日なっちゃんと話してたよね?」
学校裏にある新鮮さが売りのフルーツジュース屋でお気に入りのバナナヨーグルトジュースを飲みながら
「うん。文化祭の係代わってくれないかって頼まれてた。もちろん断ったよ。せっかく麻耶と一緒にしてあるんだから。」
「そうよね。じゃあ、長田先生に呼び出されてたのは?」
「進路についてもっとよく考えろって。」
「えっ、沙希は私と一緒に原野前高校行くんでしょ?」
「うん、でも、お前ならもっと良いとこも狙えるって。」
「なにそれ、成績で割り振ろうなんて学校のことしか考えてないじゃない。」
ぷりぷり怒る麻耶。その怒りはまともそうで全くまともなんかじゃない。単に同じ高校に行くというのを邪魔されて怒っているだけだ。麻耶と私は毎日こうして放課後今日あったことについて話す。主に一方的に質問されるのに答えていくだけだが。そしてひとしきり質問し終えたあとやっと麻耶は自分のイチゴとリンゴのミックスジュースを美味しそうに飲み始めるのだ。その姿はちょっと可愛い。そこからは、とっても仲良いお友達。そして別れ際、私達は決まってキスをする。ねっとりとした甘いキス。たっぷり時間をかけて味わって麻耶はいつも私をぎゅっと抱き締める。そして、お決まりのセリフを言うのだ。
「沙希、大好き。」
麻耶は私が大好きだ。私がいないと生きられないと思う。でも、私はきっと違う。麻耶のすることにあんまり興味なんてない。他の子と話してみたいし遊んでみたい。それに自分にやれることがあるならチャレンジしてみたい。でも私は麻耶の望む通り麻耶が把握出来ることしかしない。なぜって?--彼女にキスしてもらえないなんて耐えられないからね。
白百合共依存 ユラカモマ @yura8812
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