そんな手にのる、バカもいる。
さすらい猫の、悲しみを、
この僕だけは、わかってあげる。
さすらい猫の、人の悪さが、
まじめな僕を、からかうし。
さすらい猫は、天使の翼で、
笑ったその顔、隠すんだ。
さすらい猫が、笑ってくれて、
僕も少しは、嬉しいや。
あの日出会ったさすらい猫の、
遠い過去の火、観る瞳、好き。
さすらい猫はただ一人だろ、
けっして楽しい恋愛がない。
そして、猫は、ギャンブルの空、
雨にはならない、春まだ、寒いよ。
さすらい猫に、惚れたのは、
猫の寝言を聞いたとき。
お願い、もう、いい。
もう、死なせて。
閉じた眼からは、涙がひとすじ、
ほおを伝って、すぐには、乾いた。
さすらい猫の、悲しみを、
わかれるはずなど、ないけれど、
さすらい猫が、好きだから、
さすらい猫の上に乗り、
寝てるこの娘を、おそうんだ、
おそうといっても、キスだけだけどね?
ちゅって、クチビル、奪うんだ。
熟睡してるし、いいでしょう?
そのはずが、
眼を開け、僕を、
かあるく、にらみ、
両手を僕の、首すじまわして、
ぎゅーって、僕を抱き寄せて、
今度は、フランス式のヤツ。
さすらい猫は、さすらい猫は、
僕の、素敵な、愛しい天使だ。
さすらい猫の、悲しみを、
僕は、僕の、すべてを、賭けて、
癒してあげると、誓ったのは、
深い理由がある訳ではなく、
僕は、僕より、こいつに、恋して、
僕より、こいつが、たいせつ、だから。
だから、さすらい猫のすべてを、
愛して、酔わされ、ああ、どうしよう?
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