第3話 スーツ制作

俺はあっさりと撃てた。

――何故なんだ。

『中々素質がありそうですね。』

「俺はさっきと同じようにやったんだけど・・・」

『きっと本能的に修正したのでしょう。』

「そんな能力が・・・」

『それ以外には能力は全くないということですが。』

「それは言わないで欲しかったかな!?」

「それじゃあ、その拳銃でいい?」

「別にいいけど・・・」

「それじゃあこの書類とその書類にサインして。」

渡された書類には

·時給1000円

·労災保険あり

まだここまでは普通の書類だろ?問題は次の手書きで書かれていた

·睡眠時間なし

·賃金はすべて国の税金にする

·少なくとも1日13時間は働くこと

この3つである。

「睡眠時間なしって・・・?」

「そのままの意味よ?」

「賃金はすべて国の税金にってのも・・・?」

「書いた通りの意味よ。」

「1日13時間も働けるか!?」

「教師なんてそのくらい働いているわよ?」

「俺はまだ学生だ!」

「なら、1日3時間でいい?」

「給料は?」

「ないわよ?」

「給料ないならやらない。」

「なら、始末するしかないわね・・・」

「わ、分かったから。せめて寝る時間は確保させてくれ・・・」

「リザ、どうする?」

『まぁいいのでは?』

「分かった。それで契約しましょう。」

「契約・・・?」

「そうよ、仕事だもの。」

「契約しないといけないの?」

「撃たれたいのかしら?」

「すみませんでした!」

俺は半分脅されたような状態で契約させられた。次に俺が書いた書類は自分の体重やら身長やら3サイズやら――3サイズって男って測るのか?

それが終わると拳銃の登録、そして俺のプロフィールを登録した。

「浩平、182号室に行ってみて」

「なんでだ?」

「特殊なスーツを作ったから。」

「この短時間で作ったのか!?」

「何言ってんの?相当前に出来てたんだけど?」

「じゃあなんでさっき3サイズ聞いたの!?」

「いつもの癖でつい・・・」

「・・・」

『浩平さん、場所分かりますか?』

「全く分からない。」

『じゃあ頑張ってください。』

「教えてくれないんですか!?」

『めんどくさいですから。』

「そんな理由で!?」

『悪いですか?』

「君、ロボットだよね?」

『だからなんです?』

「疲れるわけないよね?」

『そうですね。』

「めんどくさいって疲れているから言うんじゃないの?」

『疲れています。』

「さっき、疲れないって言ったよね!?」

『記憶にありません。』

「リザ、データ検索」

『コード言わないと出来ません。』

「コードナンバー375846」

このナンバーは父さんから聞いたナンバーだ。

『データ検索モード』

「疲れているで検索。」

『データはありません。』

「バックアップ検索。」

『バックアップにもありません。』

「バックアップにもないだと!?」

『私にかかればバックアップを消すことだって簡単なのですよ?』

「母さんは聞いてたよね?」

「何のこと?」

『これで完全犯罪ですね。』

「今の発言は覚えていてやがったな!」

「バックアップのナンバーはあなたのお父さんにも教えてないから。」

「母さん、嘘のナンバー教えたわけ!?」

「当たり前でしょ。」

「あなたの旦那さんだよね!?」

「だから?」

「信用してないわけ?」

「当たり前よ。」

――ここまできっぱり言われるとは思わなかった。

「じゃあ、スーツ着たらエントランス集合。」

『私も必要ですか?』

「リザもよろしく。」

『本当ですか・・・』

「コンセント抜かれたいのかな?」

『すみませんでした!』

ハイテク機器でもコンセントから電源を取っているようだ。それならブレーカーを落とせばリザは動けなくなるはずで停電があったら・・・

『切れませんよ?』

「うわっ!?」

『なんで驚くんですか?』

「聞こえてたの?」

『普通に言ってましたけど?』

「そうだった?」

『はい。』

「で、なんで切れないわけ?」

『コンセントはほとんど使ってないからです。』

「どうゆうこと?」

『主な電源は自家発電ですから。』

「発電機なんて・・・」

『ソーラーパネル。』

「あれだけ?」

『他にもありますが、言えません。』

「そうなのか・・・」

『それと、合格おめでとうございます。』

「まだ受かってないんだけど・・・」

『そうだったんですか。』

「もしかして、ハッキングしたの?」

『いいえ。ち、違いますよ?』

機械なのにめちゃくちゃ焦っている。

「大丈夫か?」

『大丈夫ですから、早く行きましょう。』

「分かった。」

俺たち(?)は182号室にあったスーツを着た。

すると突然リザが

『この部屋は・・・』

「何かあったの?」

『この部屋は、以前に私をアップデートしてくれた方の部屋なのです。』

リザはその話をするのであった。

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