道中のきちがい。

 死んだ目で移ろう景色を追いかけども輪郭もつかめず自分の啜る鼻で不愉快を得て朝五時半のいくらか涼しい電車両の空気感に耐えながら神田までの道をやはり死んだ目で下を見ながら座ろうよと歌いたい。


 茹だる日です飯も空気も水も足したが情けない眠気には勝てず、もうすぐ雨が降る知らせの外気の涼風に癒しを乞い神田から秋葉原までの道を運ぶでかい車両の人工の冷房を期待して重い腰上げ入場、神様真夏の冷却は最高のロックな発明だと母に教わった通りでした。


 オールナイトを決め込んだ日の体躯は歩く微々たる振動で電気が流れ、怠惰な人間には辛く当たり、日々の大罪を悔やむも遅く、つくばエクスプレスてなんやのといらつきながらあーでもこーでもないしながら乗り継いだ迎え入れるかのような秋葉原の開き切ったいやらしい車両は神様母に教わった通りでした。



 茹だりと電流。


 綺麗な朝。


 入り交じったトークと喧騒の乱交痴戯。


 これからの人とこれまでの人。


 すれ違う度に魂を感ずる。


 解釈次第のファッション。


 腹減るメシ。



 温い空気と電流に満身創痍でメーデー。


 排気ガスのヘルパー。


 いつもありがとう神様。


 あなたの言う通りでした神様目を逸らさないで。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る