圧。

 さようなら人類。

 精一杯とは言えないこの私の瞬き、輝かしい栄誉によってこの惑星は、この醜くも憎たらしく愛くるしい星群の一つは、平行線の銀河の照明にもならなくなり、あの小娘の恋心や農民の呻き、サンダルと空き瓶の向こう側の海サウンドの小屋、観測している諦観者たちと盗聴をする善人の子供、その全てが、私が今から行う魅惑的なマイクロ粒子レベルの放射線の射出で色とりどりの皮膚や臓腑、無駄に大きな家々諸共貫通し、一瞬綺麗に光って、何も無くなる。どうか腹を立てないで欲しい。君たちの情けない文明は確かに塵の一粒以下になってしまうが、どうか腹を立てないで欲しい。好きでやっているわけじゃない。楽しくてやっているわけじゃない。仕事でも任命でもない。どうか腹を立てないで欲しい。どうか腹を立てないで欲しい。どうか腹を立てないで欲しい。後生です。分かってください。愛しています結婚してください。そして許してください。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る