言葉キャンディ
有栖川
case1
僕は、不思議な飴を手に入れた。
舐めると、パッケージに書いてある言葉を
言ってしまう飴、言葉キャンディ。
僕が買った言葉キャンディのパッケージ
には、僕の好きな言葉が書いてあった。
どうせ周りには誰もいないのだから、
食べても大丈夫だろう。
パッケージをあけると
個装された飴が入っていた。
僕の好きな言葉に合った色。
そんなことを思いながら
僕は飴を口に含んだ。
うん、なかなか美味しい。
どうやらこれはオレンジ味だったらしい。
僕は飴を舐めながら
残りの仕事を片付けていく。
もう5分ほど経っただろうか、
飴はだいぶん小さくなった。
最初と比べると
4分の1くらいの大きさになった。
ピロン!メールの着信音が鳴る。
お母さんからだ。
実家暮らしの僕の帰りが遅いから
心配しているのかもしれない。
メールを開くとこう書かれていた。
お仕事お疲れ様。
今日はあんたの好きな肉じゃがだから
早く帰っといで。
僕は無意識に「ありがとう」と呟いていた。
口の中の飴はもう溶けきっていた。
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