第14話 風呂、そして混浴
「ごちそうさまー、あー食べた」
「風呂湧いてるから先入っていいぞ」
食器の後片付けをしている最中、お風呂が湧いた音がしたので桃ヶ池に先に入ってもらう事にした。こっちはまだ少しかかりそうだしな。
「んー、後でいいや。女の子のお風呂は長いからね」
「そういうものなのか」
「髪の毛の手入れとかねー、ボクは短いけど長い人だと大変だよー?」
「あー……」
そういえば母さんも風呂の時間長かったっけなあ。何を風呂ごときに時間をかけるのか、イマイチわからなかったが女の子は皆そういう物なのか。
「なら、これ終わらせたら先入るわ。なるべく早く上がるから待っててくれ」
「そんなに急がなくてもいいよー。ゆったり待ってるから」
ふと、桃ヶ池の方を見れば別のクッションに抱きついていた。このままいくと桃ヶ池に家のクッション全てをギューッされてしまう。これでは今後、家中のクッションが使いづらくなってしまうので俺は後で使うクッションを制限する事に決めた。
◇◆◇
「ふー、極楽極楽」
桃ヶ池の好意に甘え、俺は先に風呂に入った。
「主様ー、湯加減はどう?」
「ん? まぁちょうどいいけど……」
風呂のドアの向こうに桃ヶ池の影が映った。時々、シュルシュルと謎の音も聞こえ何をしているのか全くわからない。歯磨きでもしにきたのだろうか?
「なら今そっち行くね。待ってて」
「はいはーい……っておい!」
あやうく桃ヶ池に流されかける。先のシュルシュルって音はもしや服を……! 桃ヶ池の行動を察した俺は風呂から全力であがろうとしたが時、既に遅し。風呂のドアが開かれ、そこにはバスタオル一枚しか巻いてない桃ヶ池の姿があった。
「そんなに恥ずかしがらなくてもいいのにー、バスタオル巻いてるんだからさ?」
「それとは違うだろ! ああ、もう俺後ろ向くから早く……」
「ふー、いい湯加減だねー」
「人の話聞けよ!」
俺の言うことを無視し桃ヶ池が浴槽に入ってきた。うお、足とか当たってる近い近い。ここの浴槽そこまで大きくないんだから狭いって。桃ヶ池のタオル姿に俺は色んな物を抑える事に一杯一杯だった。
「そんなこと言って本当は見たいんでしょ? ボクのハ・ダ・カ♡」
「うっ、そっそれは……」
「休憩室じゃやりそこねたしここなら存分に楽しめるね♪」
桃ヶ池の姿に心が揺れ動いてしまう。事実、俺もこの桃ヶ池を触りたいと思っているしタオルの先も見てみたい。ただ、理性や罪悪感、そして童貞心がそれを抑えているだけなのだ。
「ねぇねぇ、どこから触りたい? 胸? 太もも? そ・れ・と・も……貝?」
「いきなり下ネタぶっこむなよ……色々台無しだろ」
「えー? 主様が淫乱にしたんだしさぁ。もー」
確かに淫乱設定加えたの俺だけどさぁ……それでもいきなり下ネタぶっこむようなヒロインとかネタキャラでしか考えねえぞ。所々ズレている部分に内心、ホッとした。
「だが俺は触らんぞ……これ以上前科を重ねてたまるか」
そうだ、ここでまた前科を重ねたら追求された時に罪悪感が増す。ここは耐えろ……耐えるんだ俺。
「んー、しょうがないなあ。じゃあその気にさせるね?」
「えっ、ちょおま……」
「どう? ボクの一糸纏わぬ姿。綺麗でしょ?」
俺の耐える続ける姿にヤキモキしたのか、桃ヶ池がバスタオルをはらりと落とした。エロいけど綺麗だ……透き通るような肌、そして控えめに膨らんだ胸。これが女の子の裸なのかと、布で隠されていた世界に俺はすっかり見とれてしまった。
「……」
「ふふっ、見とれてる見とれてる♪もっと素直にならない?」
「い、いや俺は……」
「……ならこうしてやる」
「うおっ……」
突如、俺の右手を取られ桃ヶ池の控えめな胸に押し付けられる。
「あっ、え、うわぁ……」
「どーお? 女の子のおっぱいってこんなに柔らかいんだよ?」
「……ふわふわしてる」
「おっ、段々素直になってきたにゃー♪」
余りの気持ちよさに思わず素直になる。桃ヶ池の控えめな胸は俺の手でも十分、包み込める程小さかった。しかし、それが逆にそれが絶妙な固さと柔らかさを生み出し俺の手を吸い尽かせてしまう。動かす度に形を変えていく胸に俺はすっかり夢中になっていた。
「ふふ、もっと触ってもいいんだよ? 主様は特別、なんだから♡」
「ああ……はぁはぁ」
空いていた左手でもう片方の胸を触りだす。両手から感じる柔らかさはまさに天国のようだった。
「んっ、ちょっと激しくなったね」
「……」
桃ヶ池の甘い声に脳がとろける。それに対応するように俺の動きも激しさを増していく。気付けば俺はもう、自分で自分を制御できなくなってしまっていた。
「ねえ、次は胸以外も……」
胸以外にも触らせようとされた時、ピロンッという音が浴室外から聞こえた。
「!? ……はっ!」
「あー、もう目を覚ましちゃったかー」
浴室外の音に俺は目を覚まし桃ヶ池の胸から手を離した。恐らく俺が浴室外に置いたスマホの通知音だろう。
「お、俺は……何をして……」
「大分夢中だったよねー、ボクの乳首なんてすっかり固くなっちゃったし」
「マジか……」
見れば全身を赤くした桃ヶ池の姿があった。風呂でのぼせた事もあるだろうが俺が桃ヶ池の胸を触り、発情させた事も原因だろう。出会って数日の女子に俺はなんてことを……
「はぁ……俺は先あがる。パジャマは置いてあるから」
「えー、もっと楽しもうよー」
「ここにいたら何するかわかんねえんだよ……」
「ちぇー、ボクは別にいいんだけどなぁ」
不満そうな桃ヶ池を後目に俺は浴室を後にした。まずいなぁ、罪悪感が凄まじいぞこれ。あの時の俺は理性が外れ、性を求める野獣と化していた。このまま浴室にいればまた桃ヶ池を襲ってしまいそうで、俺は自分が怖くなったのだ。
「まだ残ってるな……」
手にはまだ胸を触った感触が残っていた。包み込むように柔らかいあの感触。それが俺に桃ヶ池の胸を触ったという事実を示していた。風呂から上がってきた時、どう話せばいいかなぁ……
◇◆◇
「んー身体の火照りが収まらないなぁ。ボク、放置プレイは対象外なのに」
主様が出て行った後も火照りが収まらず、乳首は固いままだった。なんか身体全体がムズムズするしこのまま浴室をでてもスッキリしないだろう。ほんと放置される側の気持ちにもなってよね。
「……オナニーしよ」
ひとまずスッキリさせようと浴槽から出る。恐らく主様はボクを襲ってしまった罪悪感で一杯だろう。なら、ボクは襲ってもいい存在だという事を教えないと。
全く手のかかる主様だ……ふふっ
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