6日目
「それで、神林はなにか俺と一緒にやりたいこととかあるの?」
敦君は、そう私に聞いてきた。
私が敦君と一緒にやりたいと思うことはたくさんあった。
例えば、一緒に映画を見に行ったり、大型ショップグモールで一緒に買い物をしたりしたい。
けど、私が今こうして一緒にやりたいと思うことは、さっきも思ったけどこれはすぐに出来るわけじゃないんだから。
「一緒にオセロやらない?」
私はそう敦君に提案をした。
「オセロ?」
「そう、オセロ」
「うん、いいよ」
それからは、私と敦君は、オセロを3回やった。
結果は3回やって3回とも私が勝った。
その結果のせいで敦君は、少し拗ねている。
「神林、ズルしてるじゃないの?」
さっきから、この言葉を何回も繰り返している。
で、私はこう返すのだ。
「ズルなんかしてないよ」
と。
「そう、なら、もう1回やるぞ!」
と敦君は言ってくるのだった。
だけど、結果は私が勝つというものになり
「もう、オセロをやらない!」
と言うのだった。
そう言う敦君の姿が、とても子供みたいでとても可愛いなーと私は思った。
「ふふ、じゃあなにやる?」
「しょ、将棋をやるぞ!」
そして、私と敦君は、将棋も3回程やったのだけど、これもまた私が全勝してしまい………
それから、いろいろなボードゲームを敦君と一緒にやったけど、全て私が勝つという結果になった。これで、分かったことがある。
敦君は、ボードゲームが得意ではないと。
「…………もう、神林は、魔女だね!」
そして、仕舞いには膨れ顔で、そう言うのだった。
そんな姿を見てしまうと、敦君をもっとからかってやろうと言う気持ちが芽生えてきた。
「ふふ、そう?例えばどんなところが?」
「その笑顔とか、その他にもいろいろと!」
「そう?」
「そう!」
少しだけ沈黙があったあと
「「っぷ、はははぁぁあ!!」」
と私と敦君は一緒に笑いあうのだった。
「こ、こんなに笑ったの俺久しぶりかもしれないわ」
「ふふ、そうだね。私もこうして誰かと笑いあったの久しぶりだね」
*
今私は、喫茶店で人を待っている。
誰をだって?勿論琴葉と美姫との3人で言いたいところなんだけど、生憎、私の親友である琴葉は、自分の想い人といるから今日来る予定はない。
私が喫茶店に入ってから、10分後くらいだろうか、チャリンという音と共に美姫が入ってきた。
美姫の服装は、とても清楚感があふれていて、私には、真似できないな思った。
「こんにちは、巫女さん」
「うん、こんにちは、美姫」
それから、私はホットミルクティーとガトーショコラを頼み、美姫はホットココアとベイクドチーズケーキを頼んだ。
そして、私は一口ホットミルクティーを飲むでから
「美姫は、好きな人とかいるの?」
と聞いた。
琴葉からは、私はこの手の話しは興味がないと思われているようだけれど、実は、私はこの手の話しを聞くのが好きなのだ。
「好きな人?うーん、いないかな?」
「そうなの?」
「うん、そうだね。………でも、琴葉は羨ましいなーとな思うけどね」
「羨ましい?」
「そう、羨ましい。だって、9年間。ううん、私が知らない小学校から中学校の間も含めたら、15年間くらい想い続けていたんでしょ。それが、過去に戻ったことで想いを伝えることができた。そして、今は琴葉が想い続けてきた、中島君の家で一緒にいるんでしょ。それって 、とてもいいことだと思わないかな?」
「確かにそうかもね」
私は、琴葉がいつからその人、中島敦という人物を好きになっていたのかは、知らないし、それに私は琴葉と、高校3年生以外は、全て琴葉と同じクラスで、中島敦君も同じクラスであったのに、私はあの時琴葉に、中島敦ってどんな子と聞いてしまった。
…………はは、これじゃ幼馴染失格だよね……
「突然聞くようで、あれだけど。巫女さんは、もし過去に戻れるなら、どうやって戻りたい?」
私は以前に琴葉からもこんな感じの質問をされたなーと思った。
私が、琴葉に過去に戻れるなら、タイムマシーンで過去に戻りたいと言った。
あの時は、人の未来なんてどうでもいい、自分が幸せになればいいだなんて、とても自己中心的な考えだったけれど、今の私は違う。
琴葉が、体験していることを間近に見てきて、人の過去を変えるだなんてことは絶対にやってはいけないことだってことを確認することができたのだから。
だかた、私はこう答えた。
「私は、例え、過去に戻れるとしても、過去には戻りたくはないかな」
「私も、そう思う」
過去に戻れるなら、それは戻りたい。過去に戻れば、いろいろとやりたいことだって出来るし、新たな人脈だってできるかもしれない。けど、私は、いや私達は、琴葉が苦しむ姿を見てきているのだから、私達はそう思ったのだと思う。
「……………琴葉が、9年後から来たって言っていたけどさ、私達9年後ってどんな感じになっているんだろうね」
「それは、確かに気になります。じゃあ、一緒に想像してみようよ。9年後の私達をさ」
それから、私はお互いの9年後どうなっているのかという話しをした。
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