頭打って、新世界に行った俺の物語
暇山新戸
第1話 ドジな俺は異世界へ行く
――雪降る平日の昼間
俺はのっそりとベッドから上体を起こし、着替えを済ませ、日課の散歩へ行くため階下へ――
「ああっ、あんたまた学校サボってんの?」
普段は仕事で、この時間帯にいるはずのない叔母に見つかった。
俺は訳あって叔母さんと二人暮らしをしている。
そしてそれをいいことに高校を休み始め、はや三か月が経ち、この生活にも慣れてきた。
「ああ、そうだよ。ってか、今日は仕事休みなの?」
「『そうだよ』じゃないわよ。このままサボり続けるんだったら、あんたの先生に相談しに行くからね」
マジか、それは困る。
「まぁ、あれだ。気が向いたら行くよ」
「――っ!」
凄い剣幕で怒る叔母を尻目に、俺は逃げるように外へ出た。
「ふぅ、危な……。それにしても、今日はまた一段と寒いなぁ」
俺は白い息を吐きながら、近くの河原へ向かった。
そこの川は水量が少なく細い、いわゆる小川だ。
この河原沿いはこの周辺では人気のハイキングコースとなっている。
「はぁ、やっぱいいなぁ散歩は」
この時、俺は気づいていなかった。
――数歩先に凍った水たまりがあることに。
それはしばらく歩いた時のことだった。
――ツルッ
「あっ」
――ゴチン!
強く頭を打った。
激しい頭痛に襲われると同時に目の前が真っ暗になった。気を失った。
………………
……ドドドドドドドド
うんっ?
……ドドドドドドドド
あれっ?
俺は激しく痛む頭を川の方へ傾ける。
そこにはすごい水量の巨大な川があった。
……なんだろ、この川こんなに大きかったっけ?
俺は考えた、そして――
無理に頭を使ったせいか、再び俺は気を失った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます