黄金週間

 ゴールデンウィーク初日ということで、何処も彼処も混んでいるのではないかと思っていたが、特にそのようなことも無かった。秋葉原も、後楽園の場外馬券場も、いつもより空いていたぐらいである。ただ、その少ない客の中で、馬券を買っている母親とその子供らしき組み合わせを見つけてなんだか感じるところがあった。子供の方は外に出られて楽しいのだろうか。それとも待たされて退屈なのだろうか。

 なんとなく、旅行でもしようかという気持ちが湧いてきた。それは友人が何処かへ遠出するという連絡を聞いたからかもしれないし、学生の頃を思い出したからかもしれない。しかし、今の私にそんな余裕はない。東京の街を目的もなく彷徨うぐらいが関の山である。悲しいことだがそれが分相応というものだ。

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