国立国会図書館
最初から図書館に行くことを決めて外に出たのだが、それだけでは面白味に欠けるので日暮里の辺りから歩き始めた。相も変わらず生地ばかり売っている街である。この日差しの中、暑苦しくなったりしないのだろうか。図書館に着く頃には手の甲が赤くなる程であったのだが。この分だと顔も焼けているなと思ったが、別にそんなもの見てもつまらないので確認するには至らなかった。
さて、図書館の中での話であるが、私は持っていた肩掛けのカバンと上着をロッカーにぶち込んで、すぐに六階に向かった。腹が減っていたのだ。券売機の前で腕組みしつつ思考を巡らす。暑苦しいものは食べたくない。丼というのも違う。おっ、冷やし中華……売り切れか。仕方ない。冷やしうどんとやらにしよう。こんな具合である。
食券と引き換えにうどんを受け取り、暑苦しいものは食べたくないと言いながら、七味をたっぷりとかけて席に着くとテレビで甲子園の中継をやっていた。別にそこまで興味があったわけでもないし、こういう言い方は大変に失礼だが、私が見始めた時には既に結果は決まっているようなものであったが、それでも最後まで見ていた。まあ、番狂わせもなく淡々と試合は終わり、私は何の感慨もなく予約していた本を取りに行くのであった。
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