有栖川宮記念公園

 たまには気分を変えようと新御茶ノ水駅で降り、そのまま西へ西へと歩いていた。やがて広尾、恵比寿辺りに着いたのだが、これが恐ろしい街であった。一度か二度と来た事があるぐらいで、全く土地勘もないのだが、出よう出ようとしても何故かこの二つに戻って来るのである。そんなことを五度六度繰り返して、ようやく見つけたのが有栖川宮記念公園であった。

 しばらく丘の上で一休みしてから散策をしたのだが、馴染みのある六義園や小石川などの庭園と違い、あくまで公園であることをひしひしと感じた。ボール遊びをしてる子供が多いのである。水の中に入るものもあった。私は水を掛けられるのではないか、ボールを当てられるのではないかと冷や冷やしていたが、案の定、子供の蹴ったボールが他の人に当たっていた。わざとじゃないかと思うほどの命中率であった。当てられた大人はへらへら笑って許していたが、私はそこまでの度量を持ち合わせていないので慌てて公園を後にした。

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