第36話 S級第485ダンジョン
エッ?! チョット!
ケンセイさん! 何言ってるんですか?!
「私もアレックス叔父さんを助けに行くわ!!」
何でジュリまで…
ジュリにとってアレックスは、血の繋がりは無くても叔父さんに当たるので当たり前なのか…
「うーん…でも子供達3人だけじゃ不安だわ。」
そっ…それです! それが普通ですよ!
さすがエリスさん!
「問題ありませんわ。奥様、私が付いて行きます。」
シャンティ先生、今いい感じだったのに、なんて事言うんですか!
「シャンティちゃんが付いていくなら安心ね!」
エ…エリスさん、どこまでシャンティ先生を信用してるんですか?
シャンティ先生が、死ねっていったら死ぬんですか!
「シャンティさんがそう言うなら大丈夫ですね!
それじゃあアレン君、新生『犬の肉球』団長として、みんなの事頼んだよ!」
ク…クラタンさん…僕は一言も南の大陸にアレックスさんを助けに行くなんて言ってませんよ…
「ようアレン!
神道異界流が最強の流派だという事を世に知らしめる為には、絶対に負けは認められん!
お前が一番弱いんだから気張っていけよ!」
「アレン坊ちゃん、私と精霊契約して下さい。
私が何かの拍子に死んでしまったら、エリス奥様の元に戻ってしまいます。
南の大陸は遠いですから、またアレン坊ちゃんの元に戻ってくるのは骨が折れます。
ですので今すぐ契約してください!」
シャンティ先生、まだ俺は行くとも何も言ってないのにグイグイくるな…
でもこの状況で今更行けないとは言えないか…
「分かりました! シャンティ先生と契約します!」
「はいお願いします。」
「で、どうやって契約するんですか?」
「アレン坊ちゃん。
もう既に契約は成立できていますよ。
アレン坊ちゃんは、数少ない無詠唱魔法の使い手です。
アレン坊ちゃんの場合は、アレン坊ちゃんと精霊が、お互いが契約してもいいと納得した時点で契約が成立してしまうのです。」
な…なんて便利なんだ! 無詠唱魔法!
「アレン坊ちゃん! あんまり調子に乗らないで下さいね。
人族の場合、無詠唱魔法の使い手はそれ程いませんが、エルフ族や、魔族には結構いますので。」
褒めてから落とす、
シャンティ先生、そんな事すでに分かっていますよ。
普段から、自分より格上の
「じゃあ『犬の肉球』年少組がアレックスの救出に向かうと決まったので、S級第485ダンジョンの説明をするとしましょう。
先遣隊が攻略していく内に分かった事なのですが、どうやらS級第485ダンジョンはジャイアント·キラー·アントの巣だったった様なんです。
50層目から突然湧き出し、当初順調に攻略が進んでいたのですが、ジャイアント·キラー·アントの出現によって停滞状況に陥ってしまったんです。
ジャイアント·キラー·アントの巣があったという事は、最初Sクラスダンジョンと思われていたのですが、実はSSクラスダンジョンだったという事になり、攻略の為に編成されていたパーティーメンバーでのダンジョンの攻略は、まず不可能な状況になってしまったのです。
しかしガリム王国が威信をかけて主催した大型レイドであって、尚且つ王子までもがレイドリーダーとして参加しているのに、途中で止めてしまったらガリム王国の権威も地に落ち、王子の王位継承者としての能力にも疑問符が付く事になるので、引くに引けなくなってしまったという訳です。」
「丁度、良かったじゃねえか!
ジャイアント·キラー·アントはジャイアント·アントの上位種だ!
今日のクエストがいい練習になったな!
俺様が狩ったジャイアント·アント·クィーンが、ダンジョン中にうじゃうじゃいる感じだな!
それが南の大陸のSSクラスダンジョンなら今日の3倍位いると考えた方がいいな!」
「そうそう、アレン君達が今日行った依頼も、ガリム王国が出したジャイアント·キラー·アント対策のクエストなんだよ!
効果があるかわからないけど、同族の表皮で鎧を作れば、少しは攻撃を和らげられるかもと考えたのかもね!
それ程ダンジョン攻略が、上手くいってないんだろうね。」
ケンセイさん、クリタンさん、そんな大変な場所に、いたいけな子供達を送り出す事を何とも思わないのですか…
「ワッハハハハ!
今日のアリンコ達なら何匹居ても問題ないのじゃ!
パッパっとやっつけて、父様を救出するのじゃ!」
「先遣隊は王子と王子の親衛隊が10人、A級冒険者が40人、それとアレックスだった筈ですわ。
ジャイアント·キラー·アントを相手にするには魔法による攻撃が有効ですが、それでも魔素量には限界があります。
剣や槍などの攻撃の場合も、節以外の場所は硬い表皮が攻撃を弾いてしまいます。
雪崩の様に襲ってくるジャイアント·キラー·アントに寸分の狂いもなく節に攻撃する事は、よっぽどの手練じゃないとできません。
闘気を使えれば簡単に一刀両断できますが、先遣隊のA級冒険者で闘気を使えるものはいなかった筈です。
多分 先遣隊でまともにジャイアント·キラー·アントに太刀打ちできたのは、アレックスだけだったでしょう。
だけど、アレックスにも限界があります。
さすがに一人で一日中戦う事はできません。
しかしアリスお嬢様達、神道異界流の闘気の使い手が3人いれば、全く問題ありませんわ!
アッ! 間違えましたわ。アリスお嬢様だけで全く問題ありませんわね!!」
シャンティ先生は、どんだけアリスの事を信奉してるんだ……
「アレン、アリスちゃん、ジュリちゃん、本当は私も行きたいのだけど、かえって皆の邪魔になっちゃうみたいだから私の分までアレックスの事お願いね。」
「分かりました! エリス叔母様。
アレンとジュリちゃんと協力して、必ず
アレックス叔父さんを助けて見せます!」
アリスとジュリが、やる気なら兄として頑張らない訳にはかないか…
こうして俺は、
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