第7話 黒竜
8ヶ月目。俺は遂にハイハイ出来るようになった!
エリスは、ハイハイできる前に日常会話が出来る様になった事を、おかしな事だと気付いてないようだ。
初めての子供の為、誰とも比べた事がないのでこんなものなのだと思ってる様だ。
そして、俺はハイハイ出来る様になったので、ずっと温めていた、ある計画を実行に移す事にした。
名付けて『書庫までハイハイ作戦』!!
俺はアリスの様に空中浮遊できない為、今まで書庫に行く事ができなかった。
その為、アリスとの差が日増しに広がって行った。
8ヶ月目で会話ができる様になったのは充分凄い事だと思うが、アリスは、既に会話は
前いた世界で見た異世界転生もののラノベ知識では、幼少期の過ごし方や、行いが、とても重要になってくる。
自分もかなり頑張っていると思うのだがアリスは更に上にいっている。
これ以上離されるのはまずいのだ。
それともう1つアリスに負けたくない理由がある。
最近、俺の事を『
俺の妹は、ジュリだけだ!!と思っているが、アリス的には、俺は兄様なのだ。
元いた世界では、いつの間にか龍として存在していたらしく、自分でも、いつ誕生したのかも分からないらしい。
最初、この感覚が何なのか分からなかったが、最近になって解ってきたと言う事らしい…
俺としては、呪われてた恨みもあるし、中々受け入れられないが、それでもアリスが俺の事を兄だと言うのなら、兄の威厳として、妹には全てにおいて負られない。
アリスが、元々使える天災級の魔法をスグに覚えるのは無理だと思うが、違う魔法や、知識をアリスより、先に覚えて兄の威厳をみせつけるのだ!
書庫にさえ行ければ勝機があるのだ!!
そんな
アリスの話によると、入門魔法全書なる、わかり易い本があると言う事だ。
絵もふんだんに使われていて、とても丁寧に図解されているらしい。
緑色で
最初はそれを探しだし、魔法の基礎を勉強するつもりだ。
リビングから、廊下を確認して書庫の扉が開いているのは確認できている。
まだハイハイできる様になったばかりで少し不安だが、書庫までの距離ならなんとかなるだろう。
エリスが目を離した隙にハイハイを始めた。見付かるとリビングに戻されてしまうかもしれない。
俺は、バレない様にに必死にハイハイして、ついに書庫の前まで来た。
そこで目にしたのは、部屋の中一面の本だ。全ての壁にぎっしり本が詰まっている。これをアリスより、先に読破して物にすれば、兄の威厳が保たれる。少しでも早く本を読まなければ…
そして、最初に読もうと思っていた、入門魔法全書探した。
「あった!」
それは入口から見て左側の本棚の中段の真ん中の目立つ所に。
緑色で
しかし、アレンは固まった。
取れない…
アリスは空中浮遊で取れるかもしれないが、アレンの身長では、せいぜい棚の2段目位までしか届かないのだ…
どうにか取ろうと色々やってみるが、全く届かない。
『お主、何をしておるのじゃ!』
「見て解らないのか!入門魔法全書を取ろうとしてるんだよ!」
『お主は、文字が読める様になったのか?』
「………」
そうだった…俺はこの世界の文字はまだ読めないのだった…
会話ができる様になったから、勝手に文字が読める気になっていた…
『お主の為の本は、正面の棚の右端の一番下の段に、妾が既に見繕っておるのじゃ!』
『妾は、お主の妹じゃからな!特別に用意して置いたのじゃ!ワッハハハハ!』
そこに行って見てみると、子供用の絵本らしきものが10冊ほど置いてあったのだった。
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アレン lv.1
種族 ハーフエルフ
スキル ハイハイ ぺろぺろ
性格 シスコン(ジュリ命)
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