君が為シリウスは輝く
多架橋衛
補遺
登場人物・用語一覧
■登場人物
・シリウス
主人公。アステリズムα戦闘指揮官、次期艦長として人類の存続に携わる。
絶大な記憶力と知能、視力を誇り、歴代戦闘指揮官のなかでも抜群の戦績を記録している。
着用している眼鏡は伊達で、瞳を保護するためのもの。
・ベル(ベラトリクス)
シリウスのツーマンセル。
人間離れした身体能力と五感で、戦闘でも私生活でもシリウスを支える。
シリウスを誘って太陽を見に行こうとするが……。
・シャウラ
シリウス、ベルと同い年。ナオスのツーマンセル。
お人よしな反面、煮え切らないことも多いが、メカニックとしての腕と知識は信頼されている。
シリウスに気があるらしい。
・ナオス
シリウスたちと同い年。シャウラのツーマンセル。
シリウスを敵視しているようで、ことあるごとにつっかかる。
・レグルス
アステリズムαの最年長。
戦闘でも頼りになり、精神的にもアステリズムαを支えている。
・アル(アルニラム)
レグルスのツーマンセルだったが、本作開始直前に病死している。
・シェダル
アルに代わってレグルスのツーマンセルを務めるようになった。
まだ幼く、精神的に不安定。
・ウェズン
アナのツーマンセル。
シリウスやベルの妹的立場で、ふたりによく懐いている。
感情表現が豊か。
・アナ(アンタレス)
ウェズンのツーマンセル。
ウェズン同様、シリウスとベルによく懐いている。
ウェズンとは真逆で、物静か。
・アーク(アークトゥルス)
公私ともにスピカのツーマンセル。
・スピカ
公私ともにアークのツーマンセル。
・シェアト
アステリズムβの戦闘指揮官。
・ポラリス
シリウスの前にアステリズムαの戦闘指揮官を務めていた。
二年前に戦死。
・カノープス
第十一代目艦長。
・ミモザ
数少ない大人のひとりで、教育班のトップ。
シリウスやベルの育ての親でもある。
・カフ
数少ない大人のひとりで、科学班のトップ。
ヴァスィリウスの生態研究から兵器の理論開発まで幅広く行う。
■用語一覧
・アルマ
シリウスたちが生活している海底の施設。
生活圏を追われた人類最後の砦でもある。
水深約八〇〇〇メートルに位置する。
アルマの最高権力者、つまり人類の指導者には艦長という階級が与えられているが、それは人類が海底に潜る直前まで船上で生活していた名残。
・ヴァスィリウス
数百年前に突如として現れた巨大海洋生物。
全身を覆う鱗は非常に硬く、並大抵の兵器では太刀打ちできない。
強靭な顎を持ち、金属だろうと容赦なく食らいつくしてしまう。
ヴァスィリウスによって地上は壊滅状態に陥り、住処を追われた人類は深海への移住を余儀なくされた。
・黒曜鱗
ヴァスィリウスの全身を覆う鱗。
黒曜石のような色合いと質感を持つことからこのように呼ばれる。
黒曜鱗同士をこすり合わせると特殊な科学反応が起き、膨大なエネルギーを発生させる。
・黒波
ヴァスィリウスの全身から放たれる特殊な電磁波。
黒曜鱗からエネルギーを取り出した際にも発生する。
・OGS Obsidianray Generate System
黒波生成システム
黒曜鱗から効率的にエネルギーを取り出すための装置。
・黒波機関
OGSおよび、OGSによって作動する機関の総称。
・オケアノス OCEANUS
Obsidian Comprehensive and Extensive Anti-vasilius Navy Uniting System
黒波機関による包括的かつ広範的対ヴァスィリウス戦艦隊統合システム
ヴァスィリウスとの相次ぐ戦闘のなか生み出された、対ヴァスィリウス海戦OS。
ヴァスィリウスは海中を高速で泳ぐため、旧来の人類が持っていた技術や兵器では対応が困難だった。
位置の捕捉や、目まぐるしく変化する戦況のための高度な情報処理システムが求められた。
黒波機関によって大量のエネルギーが使用できるようになり、膨大な情報のやり取りや同期が可能になった。
名前の由来はギリシア神話の海神。
ヴァスィリウスに対抗するため海神の加護を得られるようにという思いが込められている。
そのためOCEANUSという綴りありきで名称を与えられたため、略語としていささか無理がある。
・オケアノス
システムの名前としてのOCEANUSとは別に、OCEANUSを搭載した兵器のこともオケアノスと呼ぶようになった。
物語中では、シリウスたちが操縦する戦闘用ロボットのことをオケアノスと呼称している。
見た目はシリウス曰くシャコに似ており、表面は赤銅色をしている。
用途に合わせて三つのタイプが存在している。
・オケアノス タイプ:オルキヌス
遠距離兵器に特化したオケアノス。
胴体がそのまま大口径のパルスレーザー砲となっている。
シリウスやシェアトが登場するオルキヌスは、指揮官専用機として、ほかの機体よりも一回り大きく、その分戦闘力と情報処理能力が高められている。
・オケアノス タイプ:セファイエ
近距離兵器に特化したオケアノス。
両腕にパルスブレードを搭載している。
・オケアノス タイプ:オラトリア
戦闘によって出たヴァスィリウスの死体を回収するための機体。
オルキヌスやセファイエよりもかなり巨大。
・オーダー ORDER
ObsidianRay DEtecting and Ranging system
黒波探知測距システム
ヴァスィリウスが体から発する黒波をとらえて、おおよその位置を探知する装置。
アルマを中心として半径二十キロメートルをカバーする。
距離と方角のデータをOCEANUSによってホログラム化することもでき、生成されたホログラムそのものもORDERと呼ばれる。
・オルヴィス OLVIS
Obsidianray Locating and VIsualizing System
黒波定位視覚化システム
ヴァスィリウスが体から発する黒波をとらえて、視覚的、三次元的に映像化する装置。
色の濃淡によって距離が表現され、遠くなるにつれて黒くなる。
映像はすべて緑色のグラデーションになるが、モノクロ映像のように鮮明。
ORDERよりも映像が鮮明な分、感度を上げているため有効範囲が三キロと短い。
・重力制御装置 GRIFFON
Gravitation and Repulsion Isolating , Floating , Flying , Operating Navigation
もともとは重力や斥力を操作するための技術・装置であり、宇宙開発や航空産業への利用が特に期待されていた。
人類が海底に潜って以降は、水圧に対抗するための手段としてもっぱら使用されることになった。
GRIFFONという名称も、空を自由に飛び回れるようにという開発者の願いが込められている。
OCEANUS同様名前ありきの名称であるため、略語としてかなり無理がある。
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