第31話美優17

「ねぇ!!!!今お義母さんに別居の事話してきたんだけどー!!!!!」


部屋のドアを開くと、旦那はゴロゴロしながらテレビを見ていた。



「あぁ。それで何て言ってた?」


「この家を出て行けって・・・・。

私一人だけ・・・・出て行けって・・・・。

しかも離婚届けにサインまでしていけって言うんだよ?!

酷くない?!どういう事?!

貴方からしっかりお義母さんに言ってよっ!!!!」



しかし旦那は立ち上がる事なく、テレビを観たまま・・・



「そういう事。離婚届けも実はもう用意してあるんだ。

都合が良い時に荷物まとめて出て行ってよ」



なんで?



「俺ももう疲れたんだよね。

元々この結婚には乗り気じゃなかったし。

同居もしてじいさんの面倒も見るって言って押し切ってきたのはお前だろ?

それなのに口ばっかりでさ。

幸い俺達には子供も居ないから、早い方がお互いやり直せると思うんだ。

ただあれだけ盛大に結婚式を挙げたにも関わらず、今離婚するには早すぎる・・・・とは思うけどね」



「なら・・・・なら!離婚しないで二人でこの家を出て行ってやり直そう?

私達二人で暮らし始めたらきっと上手くいくからっ!!!」


「それはどうだろ?お前今までも口だけの事は多かったし。

俺もそろそろ限界かな」


「嘘ぉ・・・・・。

まだ婚約して半年も経ってないのに、離婚だなんて・・・。

皆に何って言えばいいのよぉ・・・・。

恥ずかしくて・・・・皆に言えないじゃない・・・・・」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る