第14話綾11
行員の嫁の座を手放したくない!
だから渋々コンビニで週に4回働き始めた。
美しかった手が今では肌荒れでボロボロ。
それでもお金がない私は、辞める訳にはいかなった。
頑張って働いたパート代も2万円を残し、一旦全て旦那に回収される。
それから一ヶ月の食費代を貰い、やりくりする日々。
以前のように美容室にもエステにも行けなくなってしまった。
「行員のセレブ生活はどう?」
「専業主婦って暇だから暇つぶしにコンビニで働く事にしたの~。
今まで働いたことがない世界だったから、毎日が凄く新鮮だよ」
「綾がコンビニ店員?なんか意外」
「まあね。社会勉強ってやつかな」
見栄だけは張り続けた。
だって私は今まで華のある立場で生きてきたんだから!
吉田と私は違う!
生きる為にセカセカ働く吉田と、セレブ生活の暇つぶしに働く私という印象を皆に植えつけたかったの。
だけど実際は大変だった。
コンビニってレジだけやっていれば良いと思っていたら、業務内容は多いし覚えなくちゃならない事は沢山あって苦戦していた。
「コンビニの仕事も意外と楽しいでしょ?
覚えちゃえば楽なんだよね!(≧∇≦)/」
吉田は人の気持ちも考えずに、顔文字付きでこんな事を言い始めた。
そんな訳ねぇだろ!!!!!!!!!!って言いたいけど、
「まあね。コンビニって単純作業で超簡単!
こんな軽作業でお給料貰ちゃっていいのかな?とか思うわ」
そんな事言えるわけない。
私は常に吉田より上にいなくちゃならないの。
弱音なんて吐けない。くそっ!!!!
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